研究課題/領域番号 |
11118245
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森内 敏之 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60281119)
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研究分担者 |
平尾 俊一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90116088)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ポリ(ο-トルイジン) / π-共役系高分子 / キノンジイミン / d,π-電子系 / バナジウム / 構造規制 |
研究概要 |
新規な概念に基づいた超分子システムを構築すれば、電極界面における電子の動きを高効率化できると考えられる。ポリアニリンのようなヘテロ原子を含むπ-共役系高分子のヘテロ原子に遷移金属を配位させれば、クラスター型の遷移金属-合成金属複合錯体が形成され、π-共役鎖を介した遷移金属間のコミュニケーションが可能になり、新規d,π-電子系の構築が期待される。本研究では、π-共役系高分子ポリアニリン誘導体と遷移金属のレドックス機能を組合せた共役系錯体システムにおいて構造規制されたレドックス機能を可能にすることを目的とし、既に明らかにしているポリアニリン誘導体とVCl_3からなるπ-共役系ポリマー錯体の錯形成挙動およびレドックス特性について詳細に検討を行った。 π-共役系高分子としてイミン窒素とアミン窒素がほぼ等しい割合で存在しているポリ(ο-トルイジン)のエメラルジンを用いた。紫外-可視スペクトルにおいて、ベンゼノイド構造からキノイド構造への電荷移動に基づく600nm付近の吸収はVCl_3の添加に伴って減少し、ο-トルイジンユニット:VCl_3が2:1で錯形成していることが示された。このとき、キノンジイミン部位の還元およびVCl_3の酸化を伴ったレドックス相互作用に基づく錯形成が起こっているものと考えられる。 ESRスペクトルにおいて、ポリ(ο-トルイジン)を等量以下のVCl_3で処理することによって、V(IV)および有機ラジカルに基づく吸収が現れた。この結果からも、キノンジイミン部位とV(III)が酸化還元を伴った錯形成をしていることが示唆される。 以上の如く、V(III)は金属ドーパントとして機能するだけでなく、一電子還元剤として機能することが明らかとなった。
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