研究課題/領域番号 |
11118258
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
西谷 龍介 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (50167566)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | STM / トンネル発光 / 固体液体界面 / 局所物性 / 微粒子 / 表面プラズモン / ナノスケール / 電気化学 |
研究概要 |
これまで真空蒸着および電気化学反応により作成した金薄膜に対して、トンネル発光スペクトル空間マッピング測定を行ってきた。これ以外に今年度は、磁性薄膜の局所磁気特性測定のためのトンネル発光の磁気光学測定、および発光と相補的な局所領域の紫外光電子放出測定を行った。トンネル発光の磁気光学特性の測定は、トンネル発行の円偏光度とSTM像の同時測定により行った。試料はCoおよびNiの電子ビーム蒸発により作成した。光電子放出の測定は、励起光源としてArイオン共鳴線(11.8eV)を用い、光電子電流はSTM探針を用いて測定した。STM探針に流入する光電子のエネルギーSTM探針のの電位(STMバイアス)により制御した。また流入する光電子の測定領域を極微小領域に制限するために、STM探針の先端以外を絶縁体でコーティングして探針を用いた。 (a)トンネル発光の円偏光度分布測定Ni薄膜に対するトンネル発光の円偏光度遺族測定を行った。左右の円偏光の発行強度分布を2台の検出器で測定した。2台の検出器で測定した異なる偏光の強度分布は、両方とも全体としてSTMで得られたトポグラフィー像と類似したものが測定されている。円偏光度分布を解析した結果部分的に偏光度の異なる領域が測定された。以上により、STMトンネル発光における円2色性の測定が可能となった。 (b)局所光電子放出分布測定Ni薄膜において、紫外光を照射した時と照射しない時のSTM像を比較することにより光電子放出に起因した像を観測することができた。50pA程度の光電子電流は表面垂直方向に15nm程度まで分布し、表面平行方向には20nm程度の距離が大きく変化している。また、検出電流の探針-試料間距離依存性の結果より、探針方向の検出電流変化は検出部分の立体角変化により説明できることが分かった。以上の結果は、本実験において水平及び垂直両方向において20nm程度の局所領域光電子を検出できていると言える。
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