研究課題/領域番号 |
11118262
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
金村 聖志 東京都立大学, 工学研究科, 助教授 (30169552)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | リチウム金属 / HF / エーテル / イミド塩 / 充放電効率 / リチウム二次電池 / 負極 / HF錯体 |
研究概要 |
アルカリ金属であるLi金属の非水電解液中における基板電極上への電気化学的な析出反応あるいは溶解反応はLi二次電池負極の充放電反応に対応する。Li金属は、非常に活性の高い物質であり容易に非水電解液と反応するため、非プロトン性の有機溶媒を用いた非水電解液中において熱力学的な意味において安定に存在しない。このために、Li金属の電気化学的な溶解・析出反応の可逆性が低くなるなどの好ましくない現象が生じる。すなわち、電解液とLi金属が化学的に反応することにより、可逆性の低下を招いている。このような現象を抑制するための方法として電解液へのHFの添加が挙げられる。微量のHFは平滑で粒子状のリチウム生み出しLi金属の溶解・析出反応の効率を向上させる。もちろん、溶解・析出反応の繰り返しにおいてこのような効果が発揮されなければならない。すなわち、動的な意味においてそのことを達成することが重要と思われる。本研究においては、原子間力顕微鏡によるその場観察、表面電位のミクロな分布の測定、QCMを用いたLi金属の溶解・析出時の質量変化測定により明らかにすると伴に、それらの知見を基にして動的界面構造制御を行った。 その結果、Li金属の粒子を大きくし皮膜をより平滑なものとすることが重要な因子となることが分かった。そこで、Li金属粒子径の増大を目的として、電解液に使用される溶媒の選択を行った。その結果、エーテル系溶媒(ジメトキシエタンDME)を用いると、界面エネルギーが減少し、核発生よりも結晶成長が優先されるようになることが分かった。実際に電子顕微鏡により析出したLi金属を観察すると約7倍程度の大きさの粒子が析出していることが分かった。また、支持塩にパーフルオロ系側鎖を有するイミド塩などを用いることにより、より安定な皮膜を実現できることも判明した。最終的にLiCF_3SO_3、Li(CF_3SO_2)_2N、Li(C_4F_9SO_2)(LiCF_3SO_2)Nなどの支持塩を溶解したものに(C_2H_5)_4NF(HF)_4錯体をHF源として添加した電解液を用いてLi金属の溶解析出を行う非常に高い充放電効率を得ることができた。
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