研究課題/領域番号 |
11118272
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
平田 文男 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 教授 (90218785)
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研究分担者 |
秋山 良 日本学術振興会, 特別研究員
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 電極反応 / 電子移動反応 / 自由エネルギー曲線 / 非線形応答 / 水和構造 / 移行係数 / 分子論的描像 / RISM論理 |
研究概要 |
本研究は、水に浸された電極-反応体間で起きる電荷対生成反応の自由エネルギー曲線を分子性液体の統計力学理論(RISM理論)を用いて調べ、その分子論的描像を与えたものである。特に本年度は、自由エネルギー曲線に現れる線形応答からのずれの原因と、その非線形性が電圧-電流曲線に与える影響を解析した。 上で述べた非線形性に関して、注目すべき2種類の性質がある。ひとつは電子移動の方向に関する非対称性である。他のひとつは外場が強くなるにつれてより大きくなる非線形応答の存在である。前者の非対称性は水分子内の電荷分布の非対称性に由来しており、反応体が作る外場に対する水分子の応答が場の向きに関して非対称になっている事に原因がある。後者の非対称性に対して、我々は以前に酸化還元対の水和状態が疎水水和から負水和へと変化する事に関係していると推論した。今回、この点を確認する為に溶媒を超臨界水にした計算を行った。設定した条件での超臨界水は、水素結合が最近接分子の範囲に限定されていたため、疎水水和が存在せず、通常の水中で見られる様な大きな非線形性は消えると予想されるからである。計算の結果、予想通り非線形性は消失し、通常水中で見られた非線形性が水和状態の変化と密接に関係していることを確認できた。 次に、非線形性が電圧-電流曲線に与える影響を確かめる為に、上記の自由エネルギー曲線から標準電極電位での移行係数を計算した。この移行係数は線形応答の場合正確に0.5になるため、それからのずれは非線形性の良い尺度になる。計算結果は多くの電荷生成反応の場合0.5以上となり、電子移動のモデルによっては0.65近くもなった。これらの結果は十分測定可能な値であるが、対応する水中での実験結果は知られていない。このため、現在、実験結果が知られている溶媒に関して計算を実行中である。
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