研究課題/領域番号 |
11119215
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
小宮 三四郎 東京農工大学, 工学部, 教授 (00111667)
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研究分担者 |
小峰 伸之 東京農工大学, 工学部, 助手 (90302918)
平野 雅文 東京農工大学, 工学部, 講師 (70251585)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1999年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | ルテニウム / C-H結合の活性化 / C-O結合の活性化 / C-S結合の活性化 / 酸化的付加 / 連続的結合切断反応 |
研究概要 |
1 0価ルテニウム錯体Ru(cod)(cot)と三級ホスフィン配位子の反応 我々の作業仮説として酸化的付加による結合切断反応を行う際に、支持配位子により、0価ルテニウム種を更に高還元状態に誘導することが必要であると考え、多様な三級ホスフィン配位子が導入可能な(1,5-cyclooctadienyl)(1,3,5-cyclooctatriene)ruthenium[以下、Ru(cod)(cot)とする]と各種ホスフィン配位子との反応を検討した。その結果、Ru(cod)(cot)はトリフェニルホスフィンなどのかさ高いホスフィンとは反応しないが、反応する場合にはいずれも従来の推定とは異なり、1,5-CODが遊離することが明かとなった。また、PMe_3などのコンパクトなホスフィンの場合には2価の(η^1:η^3-C_8H_<10>)RuL_3が、PEt_3の場合には0価の(η^4-C_8H_<10>)RuL_3が得られることが明らかになった。更に2価錯体である前者は酸化的付加に対して不活性であるが、0価錯体である後者は、炭素-酸素結合や炭素-水素結合などの酸化的付加にきわめて活性であることを解明した。 2 炭素-酸素、炭素-イオウ結合のルテニウムヘの酸化的付加 前述のRu(cod)(cot)と各種三級ホスフィン配位子の組み合わせにより、アリルエステル、エーテル、スルフィドならびにビニルエステルなどの炭素-酸素結合、およびアリルスルフィド、ビニルスルフィドなどの炭素-イオウ結合が非常に容易に切断されることを明らかにした。これらの結合切断反応では、オレフィンのルテニウムヘの前配位が必須であることを解明した。 3 アリルオルト置換フェニルエーテルまたはオルト置換フェノールの連続的結合切断反応 炭素-酸素結合または酸素-水素結合の切断の後に生成するアリロキソ基のオルト位に置換基を導入し強制的に炭素-水素結合がルテニウム中心に接近する分子設計をすることによりO-C/O-Hおよびsp ^3C-H結合の連続的な結合切断反応が進行した。また、これらの新規反応によりベンゾピランなどのヘテロ環化合物を合成した。
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