研究課題/領域番号 |
11119216
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
多田 全宏 東京農工大学, 農学部, 教授 (60111639)
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研究分担者 |
北野 克和 東京農工大学, 農学部, 助手 (10302910)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1999年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 電解酸化 / フッ素樹脂 / テフロン / 生理活性物質 / 付加環化反応 / クロマン / インダン / ユーカリ |
研究概要 |
電解酸化法では不均一反応系の特性を活かすことにより、基質の選択的な酸化的活性化や不安定中間体の反応制御、穏和な条件下における炭素-炭素結合形成反応などを実現できる可能性がある。また、このような反応システムは、酵素反応をモデルとしたバイオマイメティックな合成法としての意義を有すると共に、生合成反応類似型の天然物合成への新たな道を拓くものであると考える。今回、電解反応系において電解基質以外の共存物質(求核剤など)を電極表面から隔絶して保持し、さらに電解で生成した活性中間体と共存物質との反応を促進する作用を示す反応場を導入することにより、従来法では困難であった基質の選択的な活性化に伴う付加環化反応を実現した。また、このシステムを生合成反応類似型の合成反応に応用して生理活性天然物の合成を行った。この新反応メディアは、分子間炭素炭素結合形成を促進すると共に、電極電子移動による不安定中間体の生成、および安定化に優れた効果を示した。また、フッ素樹脂繊維を添加することによって、その固相表面での反応がさらに促進されるという事実が明らかになった。今回の電解反応システムにより、フェノール系化合物の電子移動により生成する極めて不安定な中間体を経由した分子間反応を行い、生物と類似した反応経路により種々の有用天然有機化合物の合成を行なうことが可能になると予想される。このシステムは生体系に見られる化学反応や酵素反応の概念を取り入れた、電解反応系における新しい人工酵素モデルとしての重要性を有するものである。このシステムにより、天然有機化合物の合成を目指したバイオミミックな合成反応の他、より高選択的、高効率的な有機合成反応の新たな方法論として展開することが期待される。
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