研究課題/領域番号 |
11119228
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
水谷 義 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40229696)
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研究分担者 |
近藤 満 京都大学, 工学研究科, 助手 (80254142)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1999年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 高分子ゲル / ポルフィリン / 分子認識 / 触媒 |
研究概要 |
目的 ゲルの合成の容易さと機能性分子として大きな可能性をもっているポルフィリンを組み合わせる目的で、ポルフィリンに重合基を結合させ、そのゲル化と、ゲル骨格による分子認識の制御を試みた。 結果 ポルフィリンはゲルにビニル基を通じてラジカル共重合によって結合させることとし、ビニル基を4つ有するポルフィリン誘導体の合成を行った。ジアミンを出発原料に用い、ビニル基を4つ有するポルフィリン1を合成した。 ポルフィリン1は、アクリルアミドと過硫酸塩の存在下で少量のDMFを含む水溶液中、ラジカル共重合を行い、透明な高分子ゲルを得た。ゲルにポルフィリンが取り込まれていることは、UV-可視吸収スペクトルにより確認した。ポルフィリンは、その大きな疎水面のために、水などの極性溶媒中ではface to faceの会合体を容易に形成することが知られている。そのような会合体の形成は、分子認識や触媒活性の発現のためにはマイナスに働くことが予想されるので、ゲル中でのポルフィリンの会合形態を、UV-可視吸収スペクトルにより調べた。そのスペクトルの形状から、ポルフィリンが親水的な環境にも関わらず分散して存在していることが示唆された。従って、ポルフィリンの疎水的な骨格が水に露出していることになり、疎水的な分子を強く取り込むことが予想される。 考察 上で述べたようなラジカル共重合反応を利用することで、ポルフィリンをいろいろな官能基のモノマーと組み合わせて重合させることは容易であり、ポルフィリンの周辺に種々の官能基を3次元的に配置することが可能である。また、高分子ゲルの特徴として、温度、pH、イオン強度などの外的なパラメータによって、ゲルの相転移を誘起させることができ、ポルフィリン周りの空間の大きさが制御できると考えられる。このような、ゲルの骨格の相転移を引き金とする分子認識や触媒反応についても検討していく。
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