研究概要 |
1.ジオキセタンの開裂機構: 半経験的及び非経験的分子軌道法を用いて、種々のジオキセタン誘導体のイオン化ポテンシャルからこれらの反応が電子移動ではなく電荷移動(Charge Transfer:CT)を伴ったCT機構で進行すると提案した。さらに、MP2/6-31G^*法を用いてジオキセタンの熱分解反応に対し、反応中間体および遷移状態を決定した。 2.CcOによる酸素分子の水分子へ還元機構: 3重項酸素分子が還元型CcOに配位した[a_3^<2+>-OO,Cu_B^<1+>]は、1重項状態ではなく3重項状態であり、1重項状態では構造最適化の過程で酸素分子が活性部位から遠のき、活性部位に酸素分子が安定に配位できないことが判った。3重項状態では、活性部位に酸素分子が配位し安定な構造が得られた。Fe-Oの結合距離は1.972Å、O-Oは1.286Åである。反応は、水素イオンと電子移動を伴って、2重項状態である中間体[a_3^<2+>-OOH,Cu_B^<1+>]が形成され、引き続き水素イオンと電子移動を伴って、[a_3^<2+>-OOH_2,Cu_B^<1+>]を経て[a_3^<4+>=O,Cu_B^<1+>]と水分子が形成される経路であることが判った。 3.DNAの1電子酸化: -XGGG-での1電子酸化のG-サイト選択性の原因を理論計算から明らかにした。さらに、遷移金属原子が触媒となる活性酸素による,DNAの切断の反応機構を検討した。遷移金属原子としてCu(II)とCo(II)を検討対象とし、N7位に配位したG-Cu(II)(H_2O)_3とG-Co(II)(H_2O)_5とを検討した。G-Cu(II)(H_2O)_3では、水分子とグアニンのO6との距離が1.74Åと水素結合を形成され、得られた構造はX線構造解析から得られたものと良い一致を示した。
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