研究概要 |
1-シラベンゼンや1-シラナフタレン等の含ケイ素芳香族化合物が注目されれているが、それらは一般に不安定なためにデュワーベンゼン、ベシジバレン、ビシクロプロペニル、プリズマンなどの含ケイ素原子価異性体の研究は皆無である。我々はビスシラシクロピロパンからのビスシラシクロプロペンヘの変換とジシラベンズバレレンヘの熱およびAg(I)触媒による転位するのに対して、ケイ素上の置換基をフェニル基からエチル・メチル基にすると1,4-ジシラ(デュワーベンゼン)も生成することを見い出した。この1,4-ジシラデュワーベンゼンは熱的にアセチレンやジエンと反応しないが、光反応ではジエンと付加し、さらには溶媒として用いている重ベンゼンと2対1の付加体を生成することが明らかし、その反応の中間体として1,4-ジシラデュワーベンゼンが発生していることを明らかにしている(第45回有機金属討論会予稿集PA109,1998,東京、J.Am.Chem.Soc.印刷中)。 一方これら1,4-ジシラベンセンの原子価異性体間の反応のab Initio理論計算(HF/6-31G^*レベル)を検討しビシクロプロペニルからジシラベンズバレンや1,4-ジシラデュワーベンゼンヘの中間体として新たにピニルシリレン中間体が介在することが見い出している(第4回ケイ素化学協会シンポジウムP34、1999桐生)。
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