研究課題/領域番号 |
11121213
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
小川 温子 お茶の水女子大学, 人間文化研究科, 助教授 (90143700)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1999年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 糖鎖 / 細胞外マトリックス分子 / 組織修復 / ビトロネクチン / コラーゲン結合性 / グリコシレーション / 活性制御 / 急性期 |
研究概要 |
私達は、創傷や障害によって糖鎖が変化したビトロネクチンが緊急産生され、その顕著なコラーゲン結合性によってマトリックスの構築を促進する治癒機転機構の仮説をたて、これを検証するために以下の研究を実施した。 (1)コラーゲン結合の糖鎖による調節メカニズムの解明 1.コラーゲンとビトロネクチンとの相互作用の解析 ヒト血漿ビトロネクチンとI型コラーゲンの結合特性をpH依存性、温度依存性、ならびにコラーゲンの多量体化による影響について解析した。各型のコラーゲンに対する結合を比較したところ、調べたすべてのコラーゲンと結合したが、温度依存性に型による差が認められ、コラーゲンの高次構造の差が結合に影響することが示唆された。 2.相互作用の定量的解析 変異体ビトロネクチンや組織修復時のビトロネクチンと、リガンドとの相互作用を微量で定量的に解析するために、表面プラズモン共鳴センサー(BIAcore)を用いて条件検討を行った。ビトロネクチンのセンサーチップヘの非特異的結合が大きいことが問題となったので、コラーゲンを固定化するセンサーチップの種類と固定化方法、ブランクフローセルの調製、pH、温度ならびに流速などの各項目について検討し、ビトロネクチンとI型コラーゲンの相互作用を検出できる条件を見い出した。 3.糖鎖欠損変異体ビトロネクチンの調製と調節に関わる糖鎖結合部位の同定 コラーゲン結合の調節に関わる糖鎖の位置と構造を解析するため、ヒトビトロネクチンの3ヵ所の糖鎖結合部位を1箇所、2箇所ずつ、または3ケ所すべて欠失した糖鎖欠失変異体をCHO細胞で発現させたところ、変異体ビトロネクチンが合成され培養上清中に分泌されていることが検出された。定量的解析条件を用いて、さまざまな糖鎖欠失変異体ビトロネクチンのリガンド結合活性を測定し、それらの糖鎖構造との相関を解析する予定である。 (2)肝障害によるビトロネクチンの糖鎖とコラーゲン結合性の変化を調べるために、肝疾患患者および肝障害ラットのビトロネクチンの解析を行った。
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