研究課題/領域番号 |
11121217
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
八島 栄次 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50191101)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 高速液体クロマトグラフィー / 多糖誘導体 / セルロースフェニルカルバメート / アミロースフェニルカルバメート / キラル充填剤 / 光学分割 / 不斉識別 |
研究概要 |
酵素重合法によりアミロース誘導体の末端を一点でシリカゲルと化学結合した固定相を調製し、HPLCによる光学分割をNMRと同じクロロホルムを溶離液に用いて調べたところ、溶離液の種類によって、また、分割温度によって特徴ある溶媒及び温度依存性を示すことがわかった。特にアンソリル基を有するアルコール(2)の分割の場合、0℃を境に溶出順序が完全に逆転することを見い出した。高温領域と低温領域でのvan't Hoff plotsの傾きより、2の分割には少なくとも2種類以上の吸着サイトもしくは機構が関与している可能性が示唆された。この系については溶媒にCDCl_3を用い、NMRによる滴定実験及びJob-plotを行った。その結果、アミロース誘導体と2がほぼ1:1で会合体を形成していること、さらに、それぞれのエナンチオマーの会合定数を求め、そのR体とS体との比から不斉選択性を表すαを算出したところ、HPLCで求めた値とよい相関があることもわかった。 クロロホルムに可溶な多糖誘導体およびそれからなる化学結合型カラムを用いることにより、HPLCとNMRで同じ溶離液・溶媒の使用が可能となり、これまで困難であったHPLCによる光学分割とNMRによる不斉識別の両方を直接比較することができた。この手法をさらに発展させ、各温度での二次元NMRを測定することにより、溶出順序の逆転のより詳細な機構の解明が可能になるものと思われる。
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