研究課題/領域番号 |
11121235
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
岩森 正男 近畿大学, 理工学部, 教授 (90110022)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | DNase I / 好中球エラスターゼ / コレステロール硫酸 / スルファチド / 胆汁酸 / セミノリピド / 非競争阻害 / 免疫沈降 |
研究概要 |
硫酸化脂質の示す酵素タンパク質の活性阻害は、1種の分子シャペロンとしてタンパク質の構造変化を起こすことによって発現されると予想される。今年度は、引き続いて硫酸化脂質によって阻害される酵素の検索を進め、構造と活性の相関を明らかにするとともに、硫化脂質の各種誘導体を合成し、阻害活性の発現に必要な構造について調べた。膵由来消化酵素としてプロテアーゼ以外にDNase Iが知られているため、DNase Iに対する硫酸化脂質の作用を調べた。環状DNA、pBluescript SK-II(+)5μgを基質として、ブタ膵DNase I(1μg)を作用させ、アガロースゲル電気泳動でDNAの分解量を測定したところ、コレステロール硫酸(CS)のみが阻害活性を示した。しかし、CSと界面活性剤の比も重要であり、タウロコール酸の場合、CSの1/5量で最大阻害活性を発揮し、その割合が少ない場合も多い場合も阻害できなかった。次に、好中球エラスターゼに対する硫酸化脂質の作用を調べた。CSならびにスルファチドは、膵エラスターゼの場合と同様のモル比で酵素活性を阻害した。さらに麻酔時の肺胞洗浄中には好中球エスタラーゼが分泌され、そのタンパク質濃度は、麻酔後1〜4時間かけて急増した。人工呼吸器による機械的刺激は好中球によるエラスターゼ分泌を促進することが分かった。しかし、酵素活性は、酵素蛋白量には比例せず、活性が抑制されていることが示唆された。好中球エラスターゼの活性を抑制している因子を探るために、好中球エラスターゼ抗体を利用して免疫沈降させ分析した結果、硫酸化脂質としてコレステロール硫酸の結合が確認できた。また、スルファチドの各種構造類似体を合成し、膵プロテアーゼに対する阻害活性を調べたところ、ブチル基はリグノセロイル基と同程度の活性であった。スフィンゴシン側鎖は阻害活性を発揮する上で、ほぼ充分な疎水性を保持していると予想される。
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