研究課題/領域番号 |
11122205
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
秋山 英文 東京大学, 物性研究所, 助教授 (40251491)
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研究分担者 |
馬場 基芳 東京大学, 物性研究所, 教務職員 (60159077)
吉田 正裕 東京大学, 物性研究所, 助手 (30292759)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 近接場 / 半導体ナノ構造 / 量子構造 / リッジ / 遷移確率 / ソリッドイマージョンレンズ / 顕微鏡 |
研究概要 |
鋭く尖ったリッジ型ファセット成長ナノ構造試料に対し、ソリッドイマージョン(SIL)近接場蛍光顕微分光法を用いて近接場光をピックアップし観察を行った。SILはマイクロボールを半球型もしくはレンズ中心からr/nの高さで底面加工したレンズ(ワイエルストラス球型)で理想的には球面収差はない。これを通常の光学顕微鏡の対物レンズと組み合わせて発光画像計測を室温および低温で行った。 その際、分解能の向上のみならず、検出効率の著しい向上が確かめられた。これを理解するために、誘電体界面上やその近傍に存在する分子からの双極子放射過程を物理的に考察し、実験結果の解釈を得た。これらは、近接場顕微鏡一般に関わる問題を含むとともに、特に単分子計測など化学・生物・医学への応用にも有用と思われる。 さらに、この効果を研究するために、蛍光色素をドープした半径110nmのポリスチレンビーズをもちいて、n=1.687の半球型SILにそのビーズを付着させ、空気側とSIL側から、反射型励起蛍光顕微鏡を行い、得られる蛍光強度を比較した。NA=0.55の対物レンズで7.5倍、NA=0.8の対物レンズで12倍もの検出蛍光強度の増大が観測された。ケーラー照明光がSILによりn^2=2.85ぶんだけ集光されることを考慮に入れると、NA=0.55と0.8の場合のそれぞれの検出効率(SIL側/空気側)は、2.6および4.2倍改善していることになる。半球型SILの表面近くに置かれた蛍光体からの蛍光放射パターンを計算したところ、蛍光が、屈折率の高いSILの側に強く片寄っていることがわかり、実験結果を定量的に再現できることがわかった。
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