研究概要 |
マルチチャネルのガラス光導波路をカリウムイオン交換法により制作し,これを用いて微粒子の駆動実験を行った光導波路上に,純水中に分散させた直径4μmのポリスチレン球を滴下し,導波路に波長1047nmのNd:YLFレーザーをエンドファイヤー法を用いてカップリングさせた.微粒子の動きは,導波路上方から顕微鏡光学系で観察した.実験では,10μmの幅を持つ光導波路に0次モードから3次モードまでいろいろな導波モードを励起させ,導波モードと微粒子の振る舞いとの依存性を調べた.その結果,どの導波モードを励起した場合も,微粒子は導波路に沿って駆動された.しかし駆動される微粒子の移動速度は,導波モードによって異なり,0次モードを励起した場合が最もスピードが速かった.また0次モードを励起した場合は,導波路の中心付近の微粒子のみが駆動されたのに対し,高次モードを励起した場合は,導波路の両端付近の微粒子も駆動されることを確認した.さらに,駆動される微粒子は,導波路上に1つだけ孤立した微粒子よりも,幾つかの微粒子が導波路に沿ってつながった状態で存在する時の方がより速いスピードで駆動できるという結果を得た.また,光源を波長514.5nmのAr+レーザーにすると,導波路上の微粒子は,導波路上から弾きだされてしまうという実験結果も得られている.今後これらのメカニズムについて,実験ならびに理論の両面から解析する予定である.
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