研究課題/領域番号 |
11123201
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
丸川 健三郎 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20001191)
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研究分担者 |
高間 俊彦 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40001309)
武沢 和義 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80001311)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 相変態 / 時効効果 / マルテンサイト変態 / 形状記憶効果 / Cu合金 / 合金規則度 |
研究概要 |
形状記憶合金には代表的なものとしてチタン合金、銅合金、鉄合金などがあるが、現在広く実用化されているのはチタン合金のみである。銅合金については、チタン合金に比べて価格面における有利さがあるにも拘わらず、安定化現象と呼ばれる困った現象があって、実用化が遅れている。本研究はこの安定化現象の原因を究明し、これによって銅合金の形状記憶合金としての性能を高めようとするものである。この安定化現象とは材料の低温時効によって変態温度(形状記憶効果の動作温度)が変化してしまう現象を言う。申請者らはこの原因が時効の間に起る合金中での原子配列変化、とくに規則度変化にあると考え、変態温度と規則度変化との関係を実験的および理論的に調べた。まず、Cu-Zn-Al合金について実験的研究をすすめ、母相の規則構造のうち、B2型規則構造が発達すれば、変態温度が低下すること、一方、DO3型規則構造が発達すれば、変態温度が上昇することを明らかにした。また、Ag-Zn-Al合金についても実験を行い、この場合には規則構造(C11b型)の発達が変態温度の低下をもたらすこと、ただしその大きさはCu合金に比べて小さいことなどを明らかにした。つぎにCu合金マルテンサイト相における時効の効果を計算機シュミレーション(モンテカルロ法)で調べ、母相がB2型構造であった場合には、この構造がマルテンサイト相時効により容易に不規則化すること、母相がDO3型であった場合には時効により容易にDO22型構造に変化することを明らかにした。これより、このような規則変化構造がこの合金における安定化現象の主原因であろうと結論した。
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