研究課題/領域番号 |
11123209
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
佐伯 淳 東京工業大学, 工学部, 助手 (50221255)
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研究分担者 |
桜井 修 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (20108195)
篠崎 和夫 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (00196388)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 配向性 / 熱応力 / ICPフラッシュ蒸着法 / ジルコニア / 極点図形測定 / 格子定数 / 外部応力引加 / モザイシティー |
研究概要 |
セラミックス薄膜育成の場合膜物質は基板からの拘束を強く受け、基板と膜物質の格子定数や構造等の整合性、更には熱膨張率差より構造、配向の乱れが生じ諸特性に影響を与え応力と格子の方位には密接な関係が生じる。本研究で噴霧熱分解ICPフラッシュ蒸着法により正方晶ジルコニア3mo1%Y_20_3-Zr0_2薄膜を合成する際意図的に基板に応力を印加して、膜に対する作用を調べ、配向方位の変換やモザイシティーの減少に応用することを目的とした。応力を印加せずに成膜した場合、膜と基板の間の熱膨張率差によって発生する熱応力に起因しMgO基板上ではジルコニアはc軸配向が優位なエピタキシャル配向膜が、またシリカガラス基板ではa軸配向の一軸配向膜が成膜した。成膜中に熱応力相当で逆向きの応力を外部より印加しながら成膜した場合、シリカガラス基板上では200MPa以上では成膜中の基板に印加した応力の増大と共にc軸配向度が高まった。また応力印加した試料の格子定数や、ロッキングカーブの半価幅に異方性が観察された。印加応力の増加によりドメインスイッチングが進行し応力が解放されるため、印加応力が少ない領域では圧縮軸方向のモザイシティーは上昇するが、印加応力が増大すると急激に減少した。これに対しMgO基板の場合、格子のマッチングに直接影響を与え、比較的小さな印加応力でも膜のピークシフトが観察され、圧縮応力の印加方向と垂直方向では異なる格子定数を持つ膜が形成された。成膜の初期段階において基板に印加しておいた応力を徐荷することでc軸からa軸優位の配向となった。徐荷時に堆積していたドメインに大きな引張り応力が印加されc軸が配向し、それ以後の膜成長過程での核組織となるためにその配向性が成膜最終段階まで維持されたと考えられる。このように成膜時に基板に適度な応力を印加することで配向性や配向度の制御が可能であることが分った。
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