研究課題/領域番号 |
11123215
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
武藤 俊介 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 助教授 (20209985)
|
研究分担者 |
竹内 宗孝 富士通株式会社, 計算科学研究センター, 研究員
吉田 朋子 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (90283415)
田辺 徹朗 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 教授 (00029331)
|
研究期間 (年度) |
1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 分子動力学法 / 透過型電子顕微鏡 / 変位型相変態 / 拡散型相変態 / 照射効果 / 非晶質 |
研究概要 |
1.非晶質シリコンにおける拡散型相変態:非晶質シリコンの再結晶化におけるダングリングボンドの割合の影響について分子動力学法によってモデリングを行った。この結果得られた原子位置座標を用いて高分解能電子顕微鏡像を計算し、更にここから構造秩序の目安となる情報エントロピーを定義して情報の二次元分布の図示を行った。この手法により非晶質相の中距離構造相関の二次元投影を得ることができた。この手法を非晶質シリコン薄膜の構造評価に応用することを次段階の目標としている。 2.照射誘起相変態:水素などガスイオン打ち込みによる表面ブリスタリングの観察を、低角度入射電子顕微鏡法という新しい手法を開発して行った。これにより従来困難であったバルク表面のブリスター構造を非破壊で解析することが可能となった。また同時に電子エネルギー損失分光を応用してブリスター断面構造および表皮の電子構造を明らかにした。この手法を拡張した簡便な表面の動的解析を通じて触媒材料、絶縁体基板上半導体薄膜の開発・評価が見込まれる。 また、前年度より継続している黒鉛の照射誘起構造変化において照射温度の効果を調べ、構造無秩序化過程における見かけの活性化エネルギーを見積もった。この値からこの構造変化を制御している主過程が格子間原子の基底面間の移動であることが示唆された。 3.変位型相変態初期過程のシミュレーション:平成9-10年度の計算では、Ni-rich側のNiAl合金でアンチサイト欠陥のまわりでオメガ変態を誘起する歪みが促進されることを示し、実験結果との良い一致を示している。今年度はこの歪みの緩和時間を求めることにより、この相変態核生成の新たなメカニズムを提案した。
|