研究課題/領域番号 |
11123219
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
志賀 正幸 京都大学, 工学研究科, 教授 (30026025)
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研究分担者 |
中村 裕之 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00202218)
和田 裕文 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80191831)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | Fe-Co合金 / 面心立方晶 / キュリー温度 / 磁化 / その場観測 / インバー効果 |
研究概要 |
銅中に固溶したFe、Coを時効熱処理するとfccFe-Coがコヒーレントに析出する。しかし、析出fcc相の相安定性、磁性はよく調べられていない。本研究では熱処理をしながら磁化測定を行うことにより、fcc Fe-Co合金の磁化、キュリー温度およびfcc相の相安定性を調べる。 本年度はCu_<0.98>(Fe_<1-x>Co_x)_<0.02>(x≦0.55)合金について振動試料磁力計を用い真空中で加熱、磁化の時間変化を測定した。温度シーケンスは20分で700℃まで加熱、700℃に一定時間保持し2時間で室温まで冷却した。磁化変化の温度可逆性を調べるため、熱処理後種々のシーケンスの測定を行った。 その結果、(1)x≦0.3では、析出fcc合金は低温まで安定でかつ強磁性でないこと、(2)0.35≦x≦0.55の範囲では、熱処理後降温時に2段階で磁化が急増すること、(3)磁化温度曲線の可逆性を調べることにより、高温側の増加は可逆的でfcc相の自発磁化の発生によるものであり、低温側の増加は温度に対し不可逆でfcc→bcc変態によるものとわかった。 以上の結果より、Cu中に整合析出したfcc Fe-Co合金の磁性はx=0.35付近から強磁性になり、キュリー温度はxの増加とともに単調に上昇し、一方、自発磁化急激に増加することがわかった。これは、fcc Fe-Co合金がインバー特性を示すことを示唆する。また、fcc相の安定性は、x=0.5まではCo濃度とともに不安定になるが、x>0.5で再び安定となることがわかった。この一件不思議な現象は、析出fcc Fe-Co合金のインバー効果を考慮に入れた格子定数とCu母相の格子定数の差で説明できることを示した。
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