研究課題/領域番号 |
11123221
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森 博太郎 大阪大学, 超高圧電子顕微鏡センター, 教授 (10024366)
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研究分担者 |
保田 英洋 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60210259)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ナノ粒子 / 相平衡 / 電子顕微鏡 |
研究概要 |
ナノ粒子においては急速な合金化が起こるとともに対応するバルク物質とは異なる様々な相安定性を示す。本研究では、急速な合金化を利用して生成された種々の合金ナノ粒子において出現する微細組織の熱的安定性について調べた。その場蒸着装置が組み込まれた200kV電顕を用いて、Au-Sn、Au-Sb、Au-Sn-Pb系等についてバルク合金では二相領域に相当する組成をもつ合金ナノ粒子を作製した。これらの合金ナノ粒子について、低温から高温における微細構造を観察し、以下の知見を得た。 (1)バルク合金では二相領域に相当する組成をもつ合金ナノ粒子においては、異なる二相間の明瞭な界面は存在せず、粒子内部がサブナノスケールにまで微細化されたアモルファスと類似した相が生成する。 (2)このアモルファス的微細組織は融点の近傍まで保持され結晶化過程を経ずに溶融すること、また、凝固過程においても液相からこの組織が直接現れることから、ここで見られるアモルファス的微細組織は熱的に高い安定度を有する構造であると考えられる。 (3)バルクの相図における二相領域の組成幅が広い系ほどこのような微細化が起こりにくい。 (4)粒径が小さい粒子ほどこのアモルファス的微細組織は高い温度まで安定である。 以上から、このような合金ナノ粒子においては、構成原子間の化学的環境を優先した構造が高い安定度を有することを明らかにした。
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