研究課題/領域番号 |
11123228
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
友清 芳二 九州大学, 工学研究科, 教授 (40037891)
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研究分担者 |
奥山 哲也 久留米工業高等専門学校, 材料工学科, 助教授 (40270368)
渡辺 万三志 九州大学, 工学研究科, 助教授 (10304734)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | シリコンウエハ / 不純物ゲッタリング / 収束電子回折 / 格子歪 / 酸素析出物 / 高次ラウエゾーン・パターン |
研究概要 |
目的:半導体デバイスプロセスの不純物ゲッタリング効果改善のための手がかりをつかむために、(1)不純物ゲッタリングシンクとしてSiウエハー中に導入された板状酸素析出物(SiO2)周辺の格子歪み分布を詳細に調べる。(2)Siウエハー裏面にCVD法でPoly-Siを被着させた場合の界面近傍のSi格子の歪み分布と比較検討を行う。 方法:新型のナノプローブ電子分光型電子顕微鏡(電界放射電子銃、Ω型エネルギーフィルター装備)を使用して、収束電子回折(CBED : Convergent Beam Electron Diffraction)の高次ラウエゾーン(HOLZ : Higher Order Laue Zone)の回折線(HOLZ線)を観察する。 結果:(1)酸素析出物の板面に垂直な方向(母相Siの[010]方向)には圧縮歪みが、板面と平行な方向(母相の[100]方向)には引っ張り歪みが存在することがわかった。(2)HOLZ線の分裂間隔および回折ディスクに現れる消衰縞の形状変化から、析出物とSi母相界面近傍でのSi格子の湾曲を定量的に評価することができた(板面から0.5μm離れた地点で20〜30mrad)。(3)ウエハー裏面に被着させたポリSiとの界面近傍の格子歪みと比べると、析出物周辺の方が歪み量は約1桁大きい。これにより、ウエハー裏面に被着させたポリSiとの界面よりも酸素析出物界面の方が不純物ゲッタリング効果が高いことを説明できた。これは半導体デバイスプロセスにおける不純物ゲッタリング効果改善のための重要な手がかりを与えてくれる。(4)新型のナノプローブ電子分光型電子顕微鏡を使用すると、従来の分析電顕に比べて回折の空間分解能(プローブ径:1〜2nm)は1桁改善され、試料は1.5倍厚いもの(Siでは約450nm)が使用できることを証明した。
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