研究概要 |
グラファイト及びその層間化合物は様々な機能性材料として有用であり、グラファイトにかわる新しいπ電子系を創出することは新機能性材料開発において極めて重要である。本研究は、ホウ素と炭素からなるグラファイト類似二次元ネットワーク有する金属ボロカーバイドRB_2C_2,RB_2C(R:アルカリ土類、希土類)を合成し、その電子状態を明らかにすることを目的とした。昨年度に引き続きCambridge大学と共同してTbB_2C_2,DyB_2C_2,HoB_2C_2,ErB_2C_2の4種の物質の中性子回折を行い磁気構造を明らかにした。一方、単結晶育成用アーク溶解炉を用いて単結晶育成を試み、LaB_2C_2およびCeB_2C_2の純良単結晶を得た。LaB_2C_2およびCeB_2C_2の単結晶体について、50mK,18Tの極低温、高磁場下での磁化の測定を、科学技術庁金属材料研究所と共同で行い、ドハース・ファン・アルフェン振動を観測した。この磁化の量子振動から、フェルミ面の極値断面積を求め、その形状を明らかにした。またバンド計算の結果から得られた3つの電子フェルミ面と大きな一つのホールフェルミ面によりドハース・ファン・アルフェン振動の角度依存性が説明された。また、CeB_2C_2においては有効質量が自由電子の10倍程度に重くなっていることが明らかになった。新化合物系RB_2CについてはDyB_2C,HoB_2C,ErB_2Cを新たに作成し、その磁気転移温度がそれぞれ8.8K,6.0K,17.0Kであることを明らかにした。類似の構造を持つRB4の磁気転移温度が23K,8K,13Kであることを考えると、DyB_2Cの転移温度の低下が際だっている。またRB_2C_2,RB_2Cの水素吸収の実験を定容法で温度200度まで行ったが現在までに際だった水素吸収効果は示していない。
|