研究課題/領域番号 |
11124245
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 宇宙科学研究所 |
研究代表者 |
八田 博志 宇宙科学研究所, 宇宙推進研究科, 教授 (90095638)
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研究分担者 |
後藤 健 宇宙科学研究所, 宇宙推進研究科, 助手 (40300701)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | C / C複合材料 / 耐酸化コーティング / SiC / クラック / CVD法 / エネルギー解放率 |
研究概要 |
炭素繊維強化炭素複合材料(C/C複合材料)は、高耐熱性・軽量・高強度・高靱性を併せ持つ希有な材料である。しかしながらC/C複合材料には、高温で容易に酸化され揮散するという大きな欠点があり、この欠点を克服するために、C/C複合材料表面に耐酸化被膜を施す技術が提案されている。しかしながら、C/C複合材料の熱膨張係数は極めて小さく、C/C複合材料上の耐酸化被膜には多数の亀裂が発生する。この亀裂を通して酸素が基板に到達するため、これまでの耐酸化コーティングは酸素の遮蔽能力は不安定かつ能力の劣るものと見なされてきた。本研究では、この耐酸化被膜に発生する亀裂を抑制することを目的とした検討を行った。具体的には、1)耐酸化被膜を多層の積層構造にする方法、2)C/C表面を波形にして発生する熱応力を低減する方法、3)耐酸化被膜中に強化繊維を混入させ、耐酸化被膜の靭性を向上させる方法の三種類を検討した。多層コーティングに関しては、各層を薄くすることで亀裂を抑制できることを見いだしたが、無亀裂にするためには多層中の各層の膜厚を0.2mm以下に押さえる必要があり、膜の一様性及び安定性に問題を残すことが明らかになった。C/C表面を波形にする方法に関しては、実際に熱応力が低減でき、この傾向が異方性材料では特に顕著に起こることを確認した。更に強化繊維型のコーティングでは、クラックの開口を大幅に低減できることを明らかにした。これらの三つの方法はいずれも単独ではコーティングクラックの完璧な抑制には至らなかったが、これらの方法を組み合わせることにより効果的なコーティングが形成できることが推定された。
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