研究課題/領域番号 |
11125101
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
末岡 和久 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60250479)
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研究分担者 |
児玉 宏喜 富士通研究所, 磁気ディスク研究部, 研究職
堀 裕和 山梨大学, 工学部, 助教授 (10165574)
岩田 達矢 北海道東海大学, 工学部, 助教授 (20119647)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | スピンプローブ / スピン緩和 / Feエピタキシャル / 円偏光エバネッセント光 |
研究概要 |
計画書に書いた実施予定 測定対象を選ばない汎用のスピン偏極走査型トンネル顕微鏡には、試料との磁気双極子相互作用の小さな探針が必要とされる。本研究では、スピン偏極電子が励起されたGaAsに注目し、その基礎物性と応用に関する研究を行った。 1.円偏光エバネッセント光の発生とGaAs探針先端部の局所スピン偏極電子励起 GaAs半導体プローブ先端部での偏極電子状態について研究を行う必要がある。先端部での局所励起を実現するためにエバネッセント光を利用する。円偏光したエバネッセント光を発生するために、2つの直交する直線偏光を2つの直交する方向にプリズムに入射し、プリズム上に周期的な回転エバネッセント場を発生させる光学系の構築を行った。またインチワームを用いた粗動機構、分光器により先端部のルミネセンス測定装置、プリズム表面と探針先端の距離を制御するための制御回路を作成した。探針先端部での発光は確認できたが、室温での実験では発光効率が悪く円偏光解析まで至っていないが、若干の改良により円偏光解析が可能となる。 2.σドープGaAsヘテロ構造内でのスピン緩和の測定 半導体内での小数キャリアのスピン緩和時間を制御することはSP-STMのスピンプローブ応用に関してだけはなく、スピンエレクトロニクスへの応用に関しても重要である。σドープGaAs/AlGaAs構造を作成し、井戸構造とスピン緩和時間の関係について実験を行い、最も緩和時間が長くなる構造を実験的に明らかにした。これは高効率のスピンプローブの開発を行う上での基礎データとなるものである。 3.Fe(001)/MgO(001)薄膜を用いたスピンプローブの性能評価 平坦でよく定義された磁性体表面を得るために、MgO基板上にエピタキシャル成長するFe薄膜の作成条件について詳細に調査した。その結果、適切な基板温度と膜厚にすることで、平坦なテラスを持つアイランドが得られることを発見した。表面は2×2の原子配列であり、これらが酵素などの吸着物である可能性が小さいことも確認した。 この表面を用い、薄膜化したGaAsスピンプローブでスピン偏極トンネル電流の検出を行ったところ、スピン依存の電流と思われる電流変化を検出した。
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