研究課題/領域番号 |
11125204
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
末益 崇 筑波大学, 物理工学系, 講師 (40282339)
|
研究分担者 |
長谷川 文夫 筑波大学, 物理工学系, 教授 (70143170)
|
研究期間 (年度) |
1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | 鉄シリサイド / 移動度 / アニ-ル / 多層膜 |
研究概要 |
Si(001)基板上ヘエピタキシャル成長が可能なβ-FeSi_2は、半導体/磁性体ヘテロ構造のべースとして非常に魅力的である。しかし、β-FeSi_2膜は、結晶性が改善する800℃以上の高温でアニールを行うと、島状に凝集するため、電気特性の測定が困難であった。そこで、本年度は、高温アニールでも凝集しないβ-FeSi_2膜の作製方法を開発し、その輸送特性を明らかにすることを目標とし、以下に示す多層膜法により、結晶性の良いβ-FeSi_2連続膜の作製に成功した。 多層膜法とは、真空チャンバー内で化学量論組成比を満足するように蒸着した各数nm膜厚のSi/Fe多層膜をアニールしてβ-FeSi_2膜を形成する方法である。しかし、Si/Fe多層膜のみを用いたのでは多結晶β-FeSi_2膜しか得られず、且つ、結晶性改善の為高温でアニールすると、従来の膜と同様に島状に凝集してしまった。我々は、470℃に熱したSi基板にFeを蒸着するRDE法により形成したエピタキシャルβ-FeSi_2膜をテンプレートとし、SiO_2膜で蓋をしてSi/Fe多層膜をアニールすることで、高温アニールでも凝集せず、Si基板とエピタキシャル関係を持つ[100]高配向のβ-FeSi_2連続膜の作製に成功した。このようなβ-FeSi_2連続膜では、46Kで最大6900cm^2/Vsの電子移動度が、また、50Kで15000cm^2/Vsの正孔移動度が得られている。これらの値は、両者とも従来の値の数10倍である。
|