研究課題/領域番号 |
11125209
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
藤原 康文 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (10181421)
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研究分担者 |
野々垣 陽一 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (40300719)
田渕 雅夫 名古屋大学, 工学部, 講師 (90222124)
竹田 美和 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (20111932)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1999年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 希土類元素 / III-V族半導体 / 有機金属気相エピタキシャル法 / 局所構造 / 臨界成長温度 / エルビウム / 共添加 |
研究概要 |
本研究では、『原子レベルでの結晶成長・不純物添加技術』と『ミクロ構造の直接的評価技術(蛍光EXAFS法やX線CTR散乱法)』の有機的結合を基盤として、III-V族化合物半導体中に「局在スピン」を有する希土類元素を原子のレベルで精密配置することにより、遍歴キャリアと「局在スピン」間のスピン交換相互作用を人為的に設計・制御し、新しい物性・機能を効果的に発現させることを目的とする。 本年度は、希土類元素としてErを取り上げ、その原子周辺局所構造を特定化することを目的に、有機金属気相エピタキシャル(OMVPE)法により各種III-V族半導体への「Er,O共添加」に取り組んだ。 GaAsにおいては成長雰囲気に微量の酸素を添加することによりEr原子周辺の局所構造が単一化され、「Er-20配位(その局所構造はGaサイトを置換したErの最近接格子点に2つの酸素原子を有する)」が選択的に形成されることを明らかにした。その結果として、Er発光強度が2桁程度増大した。一方、試料作製時の成長温度依存性より、Er-20配位の単一化には「臨界成長温度」が存在し、それより高温側では単一化が抑制されることを見出した。一方、InPやGaPにおいてはEr原子周辺に酸素の関与した局所構造の形成を示唆する新しいEr発光線が観測された。特に、発光スペクトルの比較より、GaAsで見られた「Er-20配位」がGaPにおいても部分的に形成されることを見出した。さらに、その発光強度の温度消光特性がGaAsに比べて、3桁程度小さいことを明らかにした。
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