研究課題/領域番号 |
11127220
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
梶野 敏貴 国立天文台, 理論天文学研究系, 助教授 (20169444)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | CP非保存 / レプトン対称性 / バリオン対称性 / ニュートリノ / ビッグバン元素合成 |
研究概要 |
EW相転移もしくはGUTs相転移でのCP対称性を破る物理過程によるバリオン創生メカニズムからの自然な帰結L>0、B>0を考慮して、レプトン数非対称宇宙におけるビッグバン元素合成を詳しく検討した。これまで、電子型ニュートリノのレプトン数の非対称性の破れだけを考慮した研究から、化学ポテンシャルにして10^<-5>eV程度の電子型ニュートリノ縮退を仮定すると、ビッグバン元素合成量に対する制限からΩ_bh_0^2=0.05が可能であることが判っていた。一方、宇宙の銀河団スケール(10Mpc)の質量の相当部分が熱いプラズマ・ガスで占められているという事実をΩ_0=1の宇宙モデルで解釈すると、0.1-0.3<Ω_bh_0^2となりうる。そこで、ミュー型およびタウ型ニュートリノの縮退おも仮定して、観測からの示唆を説明できるような大きなΩ_bを許す宇宙モデルの可能性を調べた。導入したレプトン数非対称性(三種類のニュートリノ化学ポテンシャル)の大きさとともに弱電平衡が宇宙膨張から切れる温度が変化する。そこで重要な役割を果たす素粒子ハドロン過程、すなわち、クォーク・グルーオン・プラズマからハドロンへのQCD相転移、ミュー粒子、軽い中間子の対消滅、等によるエントロピーの変化とそれに伴う光子温度、ニュートリノ温度の独立な時間発展とを厳密に考慮した結果、ビッグバン元素合成量に対する制限からΩ_b=1あるいはそれ以上の値を許す宇宙論モデルが可能であることを見いだした。宇宙背景放射への影響も無視できない。
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