研究課題/領域番号 |
11128214
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中西 友子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (30124275)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1999年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 植物のリサイクル活動 / ダイズ / 植物-土壌系 / 元素循環モデル / 環境シミュレーション |
研究概要 |
[実験方法] ダイズを水耕法により生育させ、発根してから枯れるまでの6ステージにおいて、同じ生育段階の植物5本〜10本を採取し、根、茎、葉の全ての組織を分けとり、乾燥処理後、約100mgをビニル袋に封入した。これらの約400個の試料の一部を日本原子力研究所研究炉、JRR-3Mにおいて5秒〜20分間、中性子照射を行い、γ線スペクトロメトリーにより各試料中の元素量を測定した。なお、中性子束は1.3x10^<12>n/cm^2/sであった。環境インパクトとして、AlとVを選択した。水耕液中にAlおよびVを各々20μMおよび100μM添加し、植物中の元素の動態を放射化分析を用いて同様に測定した。 土壌一植物系の物質のリサイクル活動をモデル化し、分析結果をもとに、植物のリサイクル活動のシミュレーションならびに過剰なAlやV存在下における物質循環系の変化を求めた。 【実験結果・考察] 植物の生育阻害はAl添加試料は結実後期に、V添加試料は結実前期に顕著に現われた。V添加試料では、全生育過程においてNa、Mg、K、Ca、MnおよびBrの吸収阻害がみられ、これらの元素の中で、Mg、KおよびMnを選択し、閉鎖系で植物が何世代か生育するにつれて植物中、どのように元素吸収動態が変化するかについてシミュレーションを行った。物質循環モデルでは、微生物により枯死した植物が土壌に還元される効率を10%/世代と仮定した。シミュレーションの結果、植物の世代が進むにつれて植物中の元素濃度には最大値(turning point)が存在し、Mg、KおよびMnでは、Kが最も早くturning pointが現われることが判った。MgおよびCaを用いて同様のシミュレーションを行ったところ、植物中に吸収される元素量ならびにturning pointの現われる時期により環境インパクトの指標が得られることが示された。
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