研究課題/領域番号 |
11128218
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
松本 幹治 横浜国立大学, 工学部, 教授 (30011224)
|
研究分担者 |
吉川 ユミ 横浜国立大学, 工学部, 助手 (50220611)
けい 新会 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (10242306)
|
研究期間 (年度) |
1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1999年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
|
キーワード | 余剰汚泥 / 機械的可溶化 / 減容化 / 有用物質 / 再利用 |
研究概要 |
廃水処理プロセスから大量に生じている余剰汚泥は海洋投棄禁止や最終処分場不足等の問題があるため、その新規処理方法の開発と有効利用技術の展開が社会に強く求められている。現在、有機性余剰汚泥の資源化によるリサイクル技術の開発は、環境保全や環境行政のいずれの面においても重要視されている。余剰汚泥はタンパク質や酵素等の生体成分を多く含んでいるため、その有効利用方法の一つとしては、細胞を簡易に可溶化して酵素やタンパク質等の有用成分を直接回収することが考えられる。本研究では、廃水処理プロセスのゼロエミッション化を目指し、余剰汚泥の再資源化のための機械的可溶化技術を確立すると同時に、酵素製剤としての有用酵素の探索とその効率的な回収技術の開発を最終目的としている。本年度では、機械的破砕装置として連続式Dyno-Millを用いて、余剰汚泥の破砕条件と破砕に伴うタンパク質の放出挙動を検討した。異なる条件での破砕時間と余剰汚泥の可溶化率および可溶化タンパク質濃度との関係を調べた結果、破砕機内に直径が0.5mmのガラスビーズを充填率が60%と70%となるように充填する場合、余剰汚泥の可溶化率は破砕時間の経過につれて上がっておよそ12分からはほぼ一定になり、余剰汚泥の破砕効率が最大となった。可溶化タンパク質濃度は充填率が20%の時では上がり続けた傾向を示したが、充填率が36%,60%および75%では最大値を示してから時間の経過に伴って再び低下した。また、充填率が高いほど可溶化タンパク質濃度の最大値は高かったが、最高値に達する時間も早かった。タンパク質の放出挙動は余剰汚泥可溶化に伴う酵素活性の変化によることを示唆した。これらの結果から、機械的破砕によって余剰汚泥が迅速に可溶化でき、細胞内に存在する有用物質の回収の可能性を示した。
|