研究課題/領域番号 |
11128231
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川井 秀一 京都大学, 木質科学研究所, 教授 (00135609)
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研究分担者 |
畑 俊充 京都大学, 木質科学研究所, 助手 (10243099)
渡辺 隆司 京都大学, 木質科学研究所, 助教授 (80201200)
桑原 正章 京都大学, 木質科学研究所, 教授 (40035978)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1999年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 木質廃棄物 / 炭化 / パーティクルボード / 前処理 / パルプ / 糖類 |
研究概要 |
本年度の当該研究で得られた主な成果は以下の通りである。 1.解体材からの木質ボードの製造 解体材パーティクルをコア原料に、間伐材や単板廃材ストランドをフェイスに用いた3層表層配向複合パネルを試作し、材質を調べた。その結果、コア原料として解体材を60-80%使用して強度・寸法安定性共に優れたボードの試作に成功し、構造用パネルとして十分利用しうることを明らかにした。 2.木質系廃棄物からの糖及びパルプの製造 ブナ木粉にDichomitus squalensやCeriporiopsis subvermisporaなどのリグニン分解性の担子菌を生育させたところ、特に前者においては8週間の処理により木粉中の40%のリグニンが除去された。次いで、担子菌処理した木粉をセルラーゼ(メイセラーゼ)により糖化し、対セルロースあたり70%の収率でグルコースが得られた。さらに、担子菌処理と爆砕を組み合わせる前処理した木粉からキシロース、グルコースその他の単糖類を得た。一方、担子菌処理木粉の常圧酢酸処理を行い、非処理木粉からよりも高い白色度のパルプを得た。また、パルプからはセルラーゼ標品を用いるバイオリアクターによりセロビオースを生産することが可能である。 3.異なる炭化条件で得られる木酢液の組成とその抗菌性 原料樹種を変えて、種々の到達温度及び昇温速度で木材を炭化し、採集した木酢液の成分を明らかにした。さらに、木酢液の木材腐朽菌及びシロアリに対する抑制効果を検討した。GCMSで成分分析を行ったところ、300℃〜400℃で採集成分量が一番高くなり、500℃を超えるとクレゾール類が増加した。抗菌効力を示すと考えられるフェノール類等は到達温度が高いほど、また昇温速度が高いほど、高い比率で検出された。到達温度や昇温速度による抗菌効力や防蟻性への影響は、微生物やシロアリの種類によっても異なった。
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