研究課題/領域番号 |
11129202
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
中根 英章 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (20237332)
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研究分担者 |
安達 洋 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (80005446)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 非破壊検査 / 渦電流検査 / 高温超伝導SQUID / 磁気雑音環境 / アルミニウム合金 / 多層構造 |
研究概要 |
航空機などのような多層構造の内部での欠陥を、部品をはずすことなく検査するため非破壊検査にSQUIDを用いる研究が数多くなされているが、その多くは磁気シールドルーム内でなされたものである。非破壊試験は本質的にフィールドでの使用が望まれるため磁気雑音環境化で動作をさせることが必要となる。本研究では高温超伝導SQUIDにより磁気シールド外でアルミニウム合金の多層構造に対する渦電流検査を行った。非破壊検査装置は低温容器内の高温超伝導SQUIDと磁気的雑音の発生を抑えた2次元走査装置で構成される。高温超伝導SQUIDを動作させるため購入した液体窒素用の低温容器の底部にSQUID素子を水平に設置している。容器内のSQUIDの周囲に高周波雑音を防ぐために円筒形シールドを設置しているが、渦電流磁界を乱さないようにスリットを施している。検査試料に渦電流を誘起するために容器の直下に直径50mm、5回巻きのダブルDコイルを設置している。この非破壊検査装置を計算機、電力線などの雑音源のある磁気シールド外の通常の実験室環境に設置して測定を行った。検査試料は航空機用アルミニウム合金(JISH4000A110P-H14)を用い、厚さ10mmの試料の中央に幅0.2mmのスロットを形成し模擬的な欠陥とし、その上に1mmのアルミニウム合金板を重ねて多層構造とした。ダブルDコイルには70Hz、10mAの交流電流を流し、渦電流磁界を発生し、試料表面では5μTの磁界強度となる。SQUIDの出力信号を渦電流磁界の70Hzを基準にロックイン検出して検出磁界信号とし、^^+__-50nTの磁界を検出している。検査試料を毎秒3.3mmで走査して2次元走査像を得て、欠陥を検出することができた。以上のように高温超伝導SQUIDを用いて磁気シールド外の通常の磁気雑音環境において非破壊検査を行うことができた。
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