研究課題/領域番号 |
11131206
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
梶井 克純 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (40211156)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | OHラジカル / HO_2ラジカル / NOx / イソプレン / 光電子増倍管 / J(01D) / 太陽紫外線 |
研究概要 |
OHラジカルの蛍光検出素子としてダイノードゲート機構を有するバイアルカリタイプの光電子増倍管(R2256P、浜フォト)に変更し検出感度等について調べた。従来のMCP/PMTは時間応答が速く高速なゲートが可能であったが、その光電面の量子効率の低さと光電面の狭さが問題となった。変更したPMTは光電面としてΦ=46mmであり、HV=-2kV時のゲインは3x10^7、また308nmの量子効率は22%である。時間応答は低下したが70-670nsの間ゲートを開くことによりOHラジカルの全蛍光の約1/3を検出できることになり、総合的にはOHラジカルの検出下限が1分値積算で3x10^6 radicals/ccまで改善された。本装置により東京の都市大気中でOHラジカルの濃度測定を実施してみたところ、J(0^1D)がピークを与える時刻にOH濃度もピークとなりそのときのOHラジカル濃度は約1.5x10^7cm^<-3>であることが明らかとなった。 沖縄県辺戸岬に仮設のプレハブ小屋2棟を設置し、HOxラジカルを中心として他の反応性微量成分の集中観測を、平成11年7月29日から8月14日まで実施した。HO_2ラジカルの平均の日変化は、太陽紫外線の日変動に対応して日中に極大を与えるがJ(O^1D)の極大よりおおむね1時間遅れて極大値(17ppt)を与えることが分かった。夕方の急峻なJ(O^1D)の減衰に比べHO_2ラジカルはその減衰がゆっくりであり夜間においても約3pptの濃度は存在し徐々に減衰し夜明け直前が最小値になる傾向があることが明らかとなった。夕方のゆっくりとしたHO_2ラジカルの減衰はラジカルの消失過程がラジカルーラジカルの反応であることを示唆している。夜間のNOxとHO_2の相間が良いことからNO_3ラジカルと他のオレフィンなどの反応が夜間におけるラジカルソースである可能性が高い。一方OHラジカルはほぼ正午あたりに濃度極大を示し、その値は約5×10^6cm^<-3>であることが明らかとなった。
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