研究課題/領域番号 |
11132203
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
栗原 和枝 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (50252250)
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研究分担者 |
宮原 隆 東北大学, 反応化学研究所, 助手 (20292302)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 表面測定 / 原子間力顕微鏡 / 糖脂質 / ラングミュアーブロジェット膜 / 分子認識 / たんぱく質 / レクチン |
研究概要 |
本研究は、表面力測定を中心手段として、生体の情報認識分子間(RNA ポリメラーゼ、DNA など)の相互作用、ならびに蛋白質の複合体形成の相互作用の特色や制御因子の解明を目的とした。 (1) 蛋白質間の相互作用 大量発現させたHis-tag修飾蛋白質を用い、それと特異的に結合する官能基を表面に導入したラングミュアブロジェット膜上に二次元的に蛋白質を固定化、相互作用力を測定した。本研究では DNA 転写時に相互作用していると考えられる SigmaA と Spo0A をポリヒスチジン(His-tag)修飾し、表面に二次元的に配向固定化した蛋白質間の特異的・非特異的相互作用を原子間力顕微鏡(AFM)により直接評価した。また試料表面の蛋白質密度を水晶振動子マイクロバランス (QCM) 測定及び AFM 像から見積もった。QCM 測定より求めた表面の蛋白質密度は、SigmaAで1.8 個/100nm^2、Spo0Aで3.9個/100nm^2であった。試料表面のAFM像の解析からもこの値に近いものが得られた。SigmaA-SigmaA、Spo0A-Spo0A、SigmaA-Spo0A表面間の相互作用力を水溶液中(NaCl 1 mM、Tris 0.1 mM)で接近及び引き離し方向において様々なpHで測定した。接近時の表面力および引離し力の結果と併せると、SigmaAとSpo0Aの間に特異的な引力が働いていると考えられる。 (2) 生体関連分子の相互作用の研究 糖鎖が生体分子と特異的に相互作用し、細胞接着や肝細胞のレセプターやタンパク質認識を行なうことは広く知られるようになってきたが、その具体的、分子レベルでの理解はいまだ十分ではない。本研究では単糖、ニ糖、三糖を親水基に有する合成糖脂質を用い、その相互作用を測定し、作用様式を検討した。 水中のGlc-lipid間の表面力曲線を示す。引力は全くみられず、50nm付近まで及ぶ斥力がみられ、それは5nm付近から急激に上昇した。近距離側の力は親水基の水和斥力として解釈される。また遠距離側の斥力は、塩の添加によってほとんど変化がみられず、また減衰長も添加塩濃度のデバイ長と一致しないことから、電気二重層斥力ではなくやはり水和によるものと考えているが、さらなる検討が必要である。
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