研究課題/領域番号 |
11132212
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
春日井 昇平 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (70161049)
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研究分担者 |
宮本 謙一 金沢大学, 医学部, 教授 (30100514)
大井田 新一郎 鶴見大学, 歯学部, 助教授 (10114745)
藤沢 隆一 北海道大学, 歯学部, 助手 (40190029)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 骨 / ハイドロキシアパタイト / 薬物輸送法 / 酸性ペプチド / 骨粗鬆症 / エストラジオール / 女性ホルモン |
研究概要 |
薬物を全身投与した場合多くの薬物は骨組織への移行性が悪く、このことが骨における薬物治療をおこなう上での大きな妨げとなっている。骨組織に選択的に薬物を輸送することが可能となれば、薬物の骨以外の組織における副作用を軽減させることが可能であり、骨粗鬆症を含めた多くの骨疾患に対する薬物治療の大きな前進が期待できる。我々はHAに親和性の高い分子を薬物のキャリアーとして用いることにより、薬物を骨組織に選択的に輸送することが可能となると考えた。平成10年度までの研究において、酸性小ペプチド(Asp)6により化合物を修飾すると、その化合物のハイドロキシアパタイト(HA)への親和性が増すこと、その様に修飾した化合物を動物に投与するとその化合物が骨組織に選択的に蓄積することを観察した。卵巣摘出(OVX)マウスの大腿骨の海綿骨の顕著な減少とともに、子宮の萎縮が起きる。OVXマウスにestradiol 100μg/kgを週に一回投与すると、骨の減少と子宮の萎縮の両方が抑制された。Estradiolを(Asp)6で修飾した(Asp)6-estradiolを作製し、OVXマウスに30μg/kg(モル用量ではestradiolの1/10量)の用量で週に一回投与したところ、骨の減少は抑制されたが、子宮は萎縮したままであった。OVXマウスに(Asp)6-estradiolを投与し、経時的に大腿骨を摘出し血液中と骨中のestradiol量をEIA法により測定した。投与後血中のestradio1レベルは急激に減少し投与24時間後では検出限界以下となったが、骨中のestradiolレベルは長時間高く維持され、骨でのest-radiolの半減期はおよそ14日であった。以上の結果より、(Asp)6により薬物を修飾することにより、その薬物を骨組織に選択的作用させることができる可能性が示唆された。
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