研究課題/領域番号 |
11132245
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
真弓 忠範 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (00098485)
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研究分担者 |
久保 一義 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (00028846)
中川 晋作 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (70207728)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | ターゲティング / モノクローナル抗体 / 腫瘍血管内皮細胞 / Neocarzinostatin |
研究概要 |
我々はこれまでにKMT-17繊維芽肉腫由来癌組織血管内皮細胞を単離し、その性質を細胞培養系を用いて検討するとともに、本細胞を免疫原として用いることで癌組織血管内皮細胞に特異的な数種のモノクローナル抗体を作製した。本研究では、癌組織血管内皮細胞特異的モノクローナル抗体をターゲティング素子材料として医用工学的に応用・評価していくことで、癌組織血管を標的とした癌ターゲティング療法の確立を目指した。これまでに作製した数種のモノクローナル抗体の中で、特にTES-23抗体が癌組織血管内皮細胞に特異性が高いことを見出した。そこでこのTES-23抗体のKMT-17担癌ラットにおける体内動態を検討した結果、コントロール抗体(MOPC)は癌組織に集積しないのに対し、TES-23抗体は、静脈内投与後僅か1時間で癌組織へ顕著に集積することを明らかにした。また、様々な動物種由来の種々の癌腫に対するTES-23抗体の機能特性を評価するため、マウスMeth-A繊維芽肉腫、Colon 26腺癌、S-180肉腫における体内動態を検討した結果、TES-23は正常組織には殆ど分布しないものの、いずれの癌腫においても、MOPCと比較して静脈内投与1時間で50倍もの癌組織集積を示した。また、TES-23のターゲティング素子としての有用性を検討するためタンパク性の抗癌剤であるNeocarzinostatin(NCS)とを結合させたTES-23-NCSの作製方法を確立した。このTES-23-NCS conjugateは、抗体のFc部位とNCSの活性中心でないアポプロテイン部位とをクロスリンクしているため、抗体価やNCS活性を完全に保持していた。このTES-23-NCSの抗腫瘍効果を検討した結果、TES-23-NCS投与群では、固形腫瘍が退縮し、劇的な抗腫瘍効果が観察された。現在、TES-23が認識する抗原の検索を行っている。
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