研究課題/領域番号 |
11133210
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
関口 章 筑波大学, 化学系, 教授 (90143164)
|
研究期間 (年度) |
1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | ラジアレン / ポリアニオン / ケイ素置換π電子系化合物 / 多電子還元反応 / ジアニオン / テトラアニオン / 有機リチウム化合物 |
研究概要 |
分子内に複数のビスシリルアセチレンユニットを有する大環状シリルオリゴイン化合物のマンガン錯体を用いた分子内環化多量化反応を検討し、環外二重結合が環から放射状に配列した新規な拡張型π電子系化合物であるケイ素置換[4]ラジアレンおよび[5]ラジアレンを合成することに成功した。また、これらの分子構造をX線結晶構造解析により解明した。 合成した新規なケイ素置換ラジアレンの金属リチウムによる還元反応を検討した結果、8π電子系[4]ラジアレンでは対応するジアニオン種が生成したのに対し、10π電子系[5]ラジアレンではテトラアニオン種が生成した。π電子系の大きさの違いにより還元数が異なる結果になったと結論される。これら新規なアニオン種はいずれもジリチウム錯体およびテトラリチウム錯体として安定に合成単離することに成功し、分子構造をX線結晶構造解析により解明した。 [4]ラジアレンジアニオンの結晶構造では、2つのリチウムがそれぞれ環面の上下に位置し、4つの炭素とη^4型に結合した接触イオン対を形成している。一方、THF中では、1つのリチウムがTHFにより溶媒和された溶媒分離イオン対を形成し、もう1つのリチウムはπ電子系骨格と結合した接触イオン対を形成する。各種NMR研究よりこの接触イオンは、室温ではπ電子系骨格上を自由に動き回っているのに対し、低温では[4]ラジアレン骨格の1つのサイトに停止することを明らかにした。このような対カチオンの動的挙動の研究例はほとんどなく、対称性の高いラジアレン骨格に起因した現象を明らかにすることができた。
|