研究課題/領域番号 |
11133232
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福住 俊一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40144430)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | フラーレン / ハロゲン化アルキル / フラーレンジテトラベンジル付加体 / NADH類縁体 / 電子移動 / 光付加反応 / 電気化学 / X線結晶構造解析 |
研究概要 |
C_<60>はそのLUMOが比較的低いため、通常求電子剤として機能し、求核剤にはならない。しかし、C_<60>を2電子還元してC_<60>^<2->とすると、ハロゲン化アルキルの様な求電子剤と反応してアルキル付加体が得られる。こうして得られたアルキル付加体に、再度この手法を適用することで、更に高次なフラーレン誘導体化を図ることができると考えられる。一方、フラーレン類の3重項励起状態は、基底状態のフラーレンに比べてその求電子性が著しく増大する。本研究では、フラーレン類のアニオン種や光励起状態の高い反応性を利用した熱および光付加反応について検討を行った。C_<60>^<2->とハロゲン化アルキル(RX)との反応は電子移動を経て進行し、ここで生成したRC_<60>^-と立体障害の小さい種々のハロゲン化アルキルとの反応は、S_N2機構により進行し、C_<60>のジアルキル付加体が得られた。また、C_<70>についても同様にジアルキル付加体が得られた。C_<60>のジベンジル付加体を電気化学的に還元してジアニオンとするとC_<60>^<2->よりも更に高い電子供与能を有し、臭化ベンジルとの反応でテトラベンジル付加体が生成することを見出した。得られた生成物から、2種類のテトラベンジル付加体を単離し、その構造をX線結晶構造解析により明らかにした。C_<60>、C_<60>ジベンジル付加体、テトラベンジル付加体のラジカルアニオンを各々ESRにより観測すると、ESRシグナルの線幅(ΔH_<msl>)は、この順に小さくなることがわかった。一方、4-アルキルNADH類縁体のt-BuBNAHとC_<70>との反応は、脱酸素ベンゾニトリル中暗所で全く進行しないが、可視光を照射するとt-ブチル付加体アニオン(t-BuC_<70>^-)が選択的に生成することを見いだした。
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