研究概要 |
1 2-クロロフェニルボリルピリジン2量体を合成し金属還元すると強いシグナル(モノラジカル由来)に伴って三重項ビラジカルのシグナルが観測された。このことはボリルピリジン系の自己集合性とポリラジカル発生を結びつけた実験として意義深い。 2 新規な電荷移動系創出を目的とし,ビスマス原子に電子供与性置換基としてニトロフェニル,シアノフェニル,ホルミルフェニルおよびエトキシカルボニルフェニル基、電子受容性置換基としてジメチルアミノフェニルやメトキシ基を導入した化合物の合成を達成した。いづれの化合物においても微弱な電荷移動が観測された。今後結晶構造を明らかにする。 3 1,6-ジアズレニルケトンの合成を達成後,種々検討した結果カルボニル基の反応性が極めて低いことが判明した。従ってテトラアズレニルケトンの合成には至っていない。またジアゾ体に導きカルベン発生を試みる計画をたてたがヒドラゾンからジアゾ体へ変換する酸化反応に成攻していない。 4 ピリジニルボリン酸の選択的シス自己集合体の晶出条件を見いだした。また有機溶媒からの再結晶体が紫外線照射によって無色から紫色に変化することを見いだした。今後機構解析を行う.
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