研究課題/領域番号 |
11135206
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
水林 博 筑波大学, 物質工学系, 教授 (40114136)
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研究分担者 |
谷本 久典 筑波大学, 物質工学系, 講師 (70222122)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 非晶質合金 / プロチウム / 局所歪 / 異方性 / スネークピーク / ゴルスキー効果 / 構造緩和 / 防振合金 |
研究概要 |
親水素元素を含む非晶質合金は多量のプロチウムを固溶でき、非晶質合金は力学的強度や耐環境性が高い。このため、固溶プロチウムの擬弾性を機能化すれば、高強度かつ耐環境性の高減衰材料(制振材料)の開発が期待できる。これまでの研究からは、プロチウム濃度が数10%を越す試料は脆化が著しく、プロチウム擬弾性緩和ピークの発現温度域は室温よりかなり低く、プロチウムの擬弾性緩和とプロチウム誘起格子歪との相関は未知であることが分かっている。従って、試料の脆化を避ける観点からはプロチウム濃度域としては数%程度が目途になるが、研究過程ではより広いプロチウム濃度域を対象として非晶質合金中でのプロチウム誘起格子歪ならびにプロチウムの擬弾性緩和過程・緩和強度との相関を把握する必要がある。本年度はこの観点から、既報告のa-Zr_<50>Cu_<50>およびa-Ti_<50>Cu_<50>におけるプロチウム誘起格子歪ならびにa-Zr_<40>Cu_<60>、a-Zr_<50>Cu_<50>およびa-Ti_<50>Cu_<50>におけるプロチウム擬弾性緩和に関する実験結果の検討を進め、a-Zr-Cu系の方がa-Ti-Cu系よりプロチウム周りの歪場の異方性が高いと推測し、a-Zr-Cu系について研究を進めた。新たに作製したa-Zr_<60>Cu_<40>におけるプロチウム擬弾性緩和をa-Zr_<40>Cu_<60>およびa-Zr_<50>Cu_<50>の場合と比較するとCu濃度の増大と共に緩和過程の活性化エンタルピーは高くなる。これは、プロチウムがZr_4サイト間を拡散する場合Cuを含むサイトを経由する事を意味する。次に、a-Zr_<60>Cu_<40>について嫌水素性のAlをCuの一部と置換したa-Zr_<60>Cu_<40-x>Al_x(x=5,10)について調べ、緩和のエンタルピーは若干高くなることが分かった。親水素性のYをZrの一部と置換したa-Zr_<58.7>Cu_<30>Al_5Y_<6.3>ではプロチウムのサイトエネルギーは殆ど変化しない。引張強度についても準備実験を開始し、プロチウム濃度が数%以内であれば殆ど変化しないことが分かった。これらの一連の研究により、今後の開発指針がほぼ明確になった。
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