研究課題/領域番号 |
11135223
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
桑野 範之 九州大学, 先端科学技術共同研究センター, 教授 (50038022)
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研究分担者 |
板倉 賢 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (20203078)
沖 憲典 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (70037860)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 希土類磁石 / 分解組織 / 水素処理 / 透過電子顕微鏡 / ボンド磁石 / HDDR / 組織制御 / 磁気異方性 |
研究概要 |
前年度までの研究により、HDDR(hydridation-decomposition-desorption-recombination)処理において、前半のHD処理のあとに、一定時間アルゴン雰囲気に置いておくと(中間アルゴン処理)、後半のDR処理後に得られるND_2Fe_<14>B結晶の粒径は小さく、しかも結晶方位がかなり揃っており、抗磁力と磁気異方性がともに優れたボンド磁石原料粉末が得られることが確かめられた。これは、中間アルゴン処理により分解組織のNdH_2粒径は小さいままFeマトリックスのみが成長することが原因であることを見いだした。本年度はさらに中間アルゴン処理のアルゴン圧力を調節する(定圧脱水素処理)ことにより、分解組織をコントロールして、より高性能の磁石材料粉末を得ることを目的とした。その結果、4minの中間アルゴン処理の後に4×10^3Paに減圧したアルゴン雰囲気に一定時間保持した後脱水素処理を行うと磁気異方性はほとんど損なわれずに抗磁力が変化することが確かめられた。しかも、その変化は単調ではなく、定圧脱水素処理時間(t)が10minでは劣化するが、60minでは初期値より向上する。t=10minで劣化するのはNd_2Fe_<14>B結晶粒径が大きくなるためである。ところが、t=60minではさらに成長している。これは、もはや磁壁の移動がNd_2Fe_<14>B粒界によって阻止されているのではなく、他に原因があることを示唆している。そこで、DR後の試料の磁区をローレンツ顕微鏡で観察した。その結果、t=0min試料では大略においてNd_2Fe_<14>B粒は単磁区ドメインとなっているが、t=60minではNd_2Fe_<14>B粒内にも磁壁がはいっており、磁区自体はかえって小さいことがわかった。おそらく、この磁区構造の違いが抗磁力向上の原因であろうと考えられる。
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