研究課題/領域番号 |
11135225
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
内田 裕久 東海大学, 工学部, 教授 (20147119)
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研究分担者 |
利根川 昭 東海大学, 理学部, 助教授 (90197905)
松村 義人 東海大学, 工学部, 助教授 (60239085)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 圧力-組成等温線 / 水素吸蔵 / ナノクリスタル / 薄膜 / パラジウム / 非平衡 / プロチウム / メカニカルグラインディング |
研究概要 |
プロチウム吸蔵材料は地球温暖化問題に関する意識の高まりと共にその重要性が益々高まりつつある。より高性能なプロチウム吸蔵材料を開発するためには、従来と異なる組織・構造を有する材料創製のためにも、その実現に従来の熱平衡のプロセスに対して何らかの非平衡状態の導入が必要と考えられる。しかしながら、形成されたプロチウム吸蔵材料の結晶粒径とプロチウム吸放出特性の間の関係はあまり研究されていない。そこで、本研究においては、従来の方法による150μmの粉体試料、フラッシュ蒸着装置を用いた薄膜試料、およびバルクメカニカルグラインディング法を用いたナノクリスタル粉体試料を作製し、それら粒径の異なるPd試料間で水素吸蔵における挙動の違いを検討することとした。この粉体は多結晶でありX線回折の結果でも明瞭な回折ピークが観測されている。 以上3種類のPd試料について、その298Kにおける圧力一組成等温線を比較すると低濃度領域に於いてはジーベルトの法則を満たし固溶状態にあると考えられるが、その固溶限度は薄膜Pd<150μmPd粉体<ナノクリスタルPdの順に増加していることがわかる。これは従来から言われている表面への化学吸着あるいはsub-surface効果の他に弾性応力緩和による効果が大きいのではないかと考えられる。薄膜においては基板との接合があり、プロチウムの吸蔵による格子の歪みを緩和できないため、最大吸蔵量が減少したのではないかと考えられる。これに対してメカニカルグラインディングにより作製したナノクリスタルPdにおいては粒径が微小なためプロチウムの吸蔵による応力緩和が容易であるため、溶解度が増加したものと思われる。なお、希土類系合金に対するプラズマプロセスを用いた膜形成法ではナノクリスタル以下の結晶粒が得られており、今後より非平衡状態におけるプロチウム吸蔵材料の作製に関する研究が必要と考えられる。
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