研究課題/領域番号 |
11136205
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
池田 龍一 筑波大学, 化学系, 教授 (90022631)
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研究分担者 |
長澤 五十六 筑波大学, 化学系, 助手 (40302351)
石丸 臣一 筑波大学, 化学系, 講師 (10251034)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 1次元系 / ハロゲン架橋錯体 / 友強磁性的相互作用 / 中性子非弾性錯乱 |
研究概要 |
一次元鎖状構造を有するハロゲン架橋錯体は金属が2価と4価の混合原子価状態をもつCDW系として知られているが、最近、Niの一次元錯体[Ni(chxn)_2Br]Br_2(chxn:cyclohexanediamine)が合成され、X線構造解析の結果、架橋ハロゲンが金属間の中点に位置することが明らかになった。磁化率、光学測定などの結果から、常磁性Ni(III)がS=1/2の強い反強磁性的相互作用を持った一次元系を形成していることが予想されている。この系の^1HNMRスピン格子緩和の低温での挙動を観測した結果、緩和時間は低温で発散する傾向が見られた。低温でのX線構造解析からはハロゲンの位置に関する歪みが観測されなかったことを考えると、NMRの結果は、一次元スピン系では低温でスピンの量子力学的揺らぎが残るという理論的予想と一致しないように思われる。本研究においては、上記錯体が低温領域において、強い反強磁性的相互作用を有する一次元系であることを実験的に確認する目的で、中性子非弾性散乱の実験を試みた。 重水素化単結晶試料の作製が困難であるため、水素化微結晶を用いて低温において中性子散乱の角度依存性を測定した。データ解析の結果は本試料において、スピン交換相互作用の大きさJが少なくとも500K以上のS=1/2の一次元反強磁性系であることを実験的に明らかにすることができた。
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