• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

d-p相互作用を持つディスコティック金属錯体液晶の合成と機能性の研究

研究課題

研究課題/領域番号 11136213
研究種目

特定領域研究(A)

配分区分補助金
審査区分 理工系
研究機関信州大学

研究代表者

太田 和親  信州大学, 繊維学部, 助教授 (70160497)

研究期間 (年度) 1999
研究課題ステータス 完了 (1999年度)
配分額 *注記
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
キーワードd-p相互作用 / ディスコティック液晶 / 金属錯体液晶 / グリオキシム / ジチオレン
研究概要

有機遷移金属錯体のディスコティックカラムナー液晶は、そのカラムナー構造より一次元伝導体への応用が可能であり、また、ビス(ジフェニルジチオレン)Ni錯体は、金属錯体の中では良好なπ-アクセプター性を有することが知られている。そして我々は、今までに側鎖アルコキシ基(-OC_nH_<2n+1> n=1〜12)を8本置換したビス(ジフェニルジチオレン)Ni系錯体を合成した。そして、n=5〜12において、ディスコティックヘキサゴナルディスオーダード(Dhd)相が観察され、最初のπ-アクセプター性ディスコティックカラムナー液晶物質が得られたことを報告した。そこで、今回は、中心金属種と側鎖の長さが液晶性およびπ-アクセプター性に及ぼす影響を検討するため、中心金属がPd及びPt錯体で側鎖の長さがn=1〜12のシリーズの合成を新たに行った。その結果、Pd錯体ではn=4〜12のもとでDhd相が観察され、Pt錯体ではn=6〜12のもとでDhd相が観察された。また、Ni,Pd,Pt錯体のπ-アクセプター性を比較すると、側鎖の長さによらず、Pd錯体が最も良いπ-アクセプター性を示すことが明らかになった。また、ディスク間距離が狭くなると、中心金属のd軌道から硫黄のdπ*軌道へback donatingされることにより、電子が非局在化し安定化する。すなわちディスク間距離が狭くなるとd-dπ*遷移が起こりやすくなり、LUMOのエネルギーレベルが下がることになる。よって、π-アクセプター性が良くなっていることと、カラム内ディスク間距離が狭くなっていることはLUMOのエネルギーレベルが下がることにより一致していると考えられる。このd-p(dπ*)バンドは昇温するにつれ長波長シフトする。これは先にグリオキシム系金属錯体液晶で見られたd-p相互作用に基づく「液晶サーモクロミズム」を示す新たな金属錯体液晶系が見つかったことになる。

報告書

(1件)
  • 1999 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Kazuchika Ohta, Yoshio Inagaki-Oka, Hiroshi Hasebe and Iwao Yamamoto: "Discotic Liquid Crystals of Transition Metal Complexes 25 : Influence of the Central Metal on Columnar Mesomorphism and π-Acceptor Properties of the Octa-alkoxy-substituted Bis(dephenyldithiolene)metal Complexes"Polyhedoron Symposium in Print. (印刷中).

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書

URL: 

公開日: 1999-04-01   更新日: 2018-03-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi