研究課題/領域番号 |
11136223
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松林 玄悦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90029182)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 白金錯体 / コバルト錯体 / ジチオレート錯体 / 層状構造 / 酸化 / 電導度 |
研究概要 |
π電子系を拡張したC_6S_8骨格で、長鎖アルキル基をもつジチオレート配位子を有する金属錯体では、固体状態においてアルキル基の会合による配列とともに、硫黄原子を介したC_6S_8骨格部分の会合により錯体分子が積層し、無機/有機層状の系となり、この系を酸化することにより、電導機能もった錯体集積体が期待できる。まず、エタノール中でNa_2[C_6S_8R_2](R=C_<10>H_<21>、C_<14>H_<29>およびC_<18>H_<37>)と[NBu^n_4]_2[PtCl_4】を反応させて[NBu^n_4]_2[Pt(C_6S_8R_2)_2]を合成した。R=C_<10>H_<21>の錯体については、X線結晶解析から長鎖アルキル基の会合による錯体分子の層状構造を明らかにした。過剰のヨウ素や臭素と反応し、2電子酸化体[Pt(C_6S_8R_2)_2]^0の黒色固体を得た。R=C_<10>H_<21>およびC_<14>H_<29>の酸化体は、それぞれ4.9x10^<-2>および2.5x10^<-2>Scm^<-1>の電導度(室温、粉末加圧成型試料)を示した。次に、Pt(bpy)Cl_2とNa_2[C_6S_8(C_<10>H_<21>)_2]の反応によって[Pt(bpy){C_6S_8(C_<10>H_<21>)_2}]を得た。この錯体は600nm付近にジチオレート配位子からbpy配位子への分子内電荷移動吸収帯を示し、分極している。ヨウ素との反応によって、1電子酸化された錯体が得られ、6.8x10^<-5>S cm^<-1>の電導度を示した。さらに、四面体構造をもつCo(II)-ジチオレート錯体を目指した。CoCl_2とNa_2C_3S_5を反応させて[PPh_4l_2[Co(C_3S_5)_2]の結晶を単離した。X線結晶解析から、Co(II)-ジチオレート錯体としては報告例が少ない四面体構造であることがわかった。ヨウ素で容易に酸化されて[PPh_4]_<0.5>[Co(C_3S_5)_2]を与え、その電導度は1.0x10^<-3>S cm^<-1>であった。長鎖アルキル基をもったC_6S_8骨格のジチオレート配位子を有する四面体構造のCo(II)錯体の挙動をしらべるための重要な知見が得られた。
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