研究課題/領域番号 |
11136229
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福水 俊一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40144430)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 多核金属錯体 / 電子移動触媒作用 / スカンジウムイオン / セミキノンラジカルアニオン / ルイス酸性 / HMPA / ESR / 酸化還元電位 |
研究概要 |
電子供与体から電子受容体への電子移動反応において電子受容体ラジカルアニオンと強い相互作用を有する物質はこの電子移動反応の触媒として機能する。触媒として金属錯体を考える場合、単核に比べ、相互作用のサイトの数の多い多核金属錯体の方が、より高い触媒活性が期待される。本研究では、電子移動反応における金属錯体の触媒作用について検討し、高効率・高選択性を有する電子移動触媒システムを構築することを目的とする。これまでの研究で、Sc(OTf)_3のHMPA錯体はセミキノンラジカルアニオンと二核錯体を形成することにより、対応するキノンの電子移動還元を顕著に加速することを見いだしている。セミキノンラジカルアニオンは各種金属イオンと錯形成し、その配位結合の強さはセミキノンラジカルアニオン金属錯体のESRのg因子の大きさおよび対応するキノンの電子移動還元反応の活性化エネルギーの大きさと強い相関関係があることを見出した。これにより、各種金属イオンのルイス酸性の強さを定量的に評価でき、その結果は、キノンの電子移動還元反応の制御のみならず一般のルイス酸触媒反応の制御にも利用できると考えられる。電子供与体としては、有機金属ポルフィリン[(OETPP)Fe(R)など]を用い、Rの種類を変えることによりその電子供与能を変化させた。電子移動触媒活性は、ラジカルアニオンとの錯形成に起因するので、多核核錯体の酸化還元電位の違いについてサイクリックボルタンメトリーを用いて明らかにした。
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