研究課題/領域番号 |
11136233
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
塚原 敬一 奈良女子大学, 理学部, 教授 (70112117)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | N-アルキルポルフィリン / 集積化 / コバルト(III)錯体 / 光誘起電子移動 / 配向効果 / ジエチレントリアミン五酢酸 / ビオローゲン / 化学修飾ミオグロビン |
研究概要 |
生体系における電子伝達系では電子供与体(ドナー)と電子受容体(アクセプター)とが互いに相手を立体化学的に認識しながら有効な電子移動が行われていると考えられる。本研究ではπ電子系の電子移動反応ではドナーとアクセプターの軌道の位相が一致しない配向ではたとえ近距離でも電子移動反応速度が遅くなるという考えに基づいて、N-アルキルポルフィリンの面上に電子授受可能な置換基を垂直方向に配列させた複合体を用いて光電子移動反応速度を制御するモデル系の構築を目指した。また、この考えを生体系に適用するためヘム蛋白質に金属錯体を集積させた複合体の構築も試みた。(1)ビオローゲンが結合したN-アルキルポルフィリンおよび二量体とその金属錯体を合成し、それらの蛍光挙動および光誘起電子移動反応を検討した。その結果、ポルフィリンおよび金属ポルフィリン励起一重項および三重項はともにビオローゲンにより電子移動消光を受けるが、金属イオンの有効電荷が大きくなるにつれて蛍光強度が増加し、蛍光寿命が長くなることがわかった。これは、金属イオンの挿入によりビオローゲンがポルフィリンに対して立ち上がるようになり電子供与体であるポルフィリン面と電子受容体であるビオローゲン平面がより垂直配向をとるようになり、電子移動反応速度が減少するためであると考えられる。(2)サンドイッチ型金属ポルフィリンを構築し、その蛍光特性を検討した。また、ビオローゲンで架橋したN-アルキルポルフィリンニ量体のサンドイッチ型金属ポルフィリンを合成した。(3)金属キレート試薬としてジエチレントリアミン五酢酸イオン(DTPA)を蛋白質表面に存在するリシン残基に化学修飾したミオグロビン(metMb(DTPA)_n)を構築し、そのキレート部分にCo(III)イオンを導入することを試みた。組成の確認はMALDI-TOF MSとFeおよびCoの原子吸光分析により行った。
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