研究課題/領域番号 |
11136250
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
御厨 正博 関西学院大学, 理学部, 教授 (10157472)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 少数核金属錯体 / 四核錯体 / 混合原子価錯体 / 磁気的性質 / 鎖状錯体 / 結晶構造 |
研究概要 |
アルコール性酸素を架橋基として持つ五座配位子を用いて亜鉛(II)八核錯体が精製することを見出したので、これを手掛かりとして常磁性金属種への展開を図った。コバルト(II)塩との反応により八核錯体の合成を目指したが、金属イオンの酸化が起こり、結果として二核コバルト(III)錯体や四核コバルト(II,III)混合原子価錯体が得られた。これは金属イオンの大きさと有機配位子が与える幾何学的配置や供与原子の性質との組み合わせが少数核形成の重要な因子であることを示す例として興味深い。四核コバルト錯体では強磁性的相互作用を示すものが見出された。マクロ環を用いた有機配位子では、二核金属錯体のみが得られている。少数核の最小単位である二核金属ユニットについて架橋性配位子による集積化を試みた。二核金属ユニットとしてはカルボン酸架橋二核金属錯体やフェノール性酸素架橋二核金属錯体を選択した。カルボン酸架橋金属錯体の系では一次元鎖状集積化が確認された。ピバル酸ルテニウムでは四核錯体の形成も確認した。トリフルオロ酢酸銅の系では銅(I)及び銅(II)種を単離することができ、それぞれ四面体型、三方両錐型の銅が架橋性配位子、ピラジンによって二次元的に配列することを見出した。銅(II)錯体の磁気的特性は反強磁性的なものであった。 有機配位子と金属塩との反応においてアルカリ金属イオンを共存させると、これらの金属イオンの存在により二核金属ユニットの集積化が可能であることを見出した。アルコール性酸素を架橋基として持つシッフ塩基配位子ではニッケル(II)二核ユニットが会合してできた四核がカリウムイオンによりさらにつながったK_2Ni^<II>_8錯体を単離することができた。また、フェノール性酸素を架橋基として持つシッフ塩基配位子では鉄(III)二核ユニットとナトリウムイオンが交互に環状に配列したNa_3Fe^<III>_6錯体を単離でき、この方法は少数核形成を実現する上でかなり有望であることが分かった。磁気的特性は反強磁性的であった。
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