研究課題/領域番号 |
11136251
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
柴原 隆志 岡山理科大学, 理学部, 教授 (30122386)
|
研究期間 (年度) |
1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 硫黄架橋 / モリブデン / 亜鉛 / ロジウム / キュバン型 / 酸素架橋 / 不完全キュバン型 |
研究概要 |
本研究では以下の成果をあげることができた。 1)硫黄架橋モリブデン-亜鉛錯体 アセトニトリル中で[Mo_3S_4(dtp)_4]の亜鉛の取り込みに成功し、X線構造解析よりサンドイッチキュバン型の構造[(CH_3CN)(dtp)_3(μ-dtp)Mo_3S_4MS_4Mo_3(μ-dtp)(dtp)_3]をとることが判明した。この合成法では、強酸性水溶液中では強すぎる亜鉛の還元力が非水溶媒中では抑制され、Mo_3S_4骨格が保存されている。この錯体は近赤外領域(860nm)に大きい吸収を示す。 2)硫黄架橋モリブデン-ロジウム錯体 希塩酸中で[Mo_3S_4(H_2O)_9]^<4+>のロジウム錯体[(Cp^*RhCl_2)_2]との反応より赤紫色柱状結晶[Mo_3(μ_3-S)_4Cp^*Rh(H_2O)_7(μ-O)]_2(pts)_8・16H_2Oを得た。室温(20℃)と低温(-150℃)で多形した:20℃、monoclinic C2/c;-150℃、triclinic P1。室温におけるpts陰イオンのディスオーダーは低温で消滅する。二つのMo_3RhS_4骨格が二つの酸素原子により架橋されている。この錯体は可視部に出発物質と比べて非常に大きい吸収を示す。 3)酸素・硫黄架橋混合金属キュバン型錯体合成の試み チタンなど硫黄との親和力より酸素との親和力の強い金属との反応を期待して、酸素・硫黄架橋不完全キュバン型モリブデンアクア錯体[Mo_3O_3S(H_2O)_9]^<4+>の各種金属との反応を2M HCl中で試みたが、金属取り込み反応ではなく、アクア錯体の還元反応に起こっている可能性が高い。ただし、還元力の弱い金属鉛とも反応し、類似の電子スペクトルを与えるのでさらに検討中である。また、上記アクア錯体の誘導体、[Mo_3O_3S(Hnta)_3]^<2->および[Mo_3O_3S(dtp)_4(CH_3CN)]、の金属取り込み反応も検討課題である。
|