研究課題/領域番号 |
11137307
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
佐谷 秀行 熊本大学, 医学部, 教授 (80264282)
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研究分担者 |
荒木 令江 熊本大学, 医学部, 助手 (80253722)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1999年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | CD44 / メタロプロテアーゼ / TPA / カルシウムイオノフォア / Rho / Rac / Ras / E-カドヘリン |
研究概要 |
細胞接着分子CD44は細胞外ドメインで切断を受けるが、その切断によって誘導されるシグナルを同定し、癌細胞の浸潤能との関連について、日米それぞれのチームが持つ技術的協力によって、共同に解析を行うことを本研究の目的とした。具体的には: 1)CD44切断はTPAあるいはカルシウムイオノフォアー添加によって誘導され、前者はCキナーゼの阻害剤を加えることによって阻害できるが、後者は、Cキナーゼ阻害剤では阻害できなかった。この所見から、CD44切断は2つの独立した細胞内シグナルによって調節されている事が分かった。また、TPAによって引き起こされる切断シグナルは低分子GタンパクRhoの活性化によって阻害され、Racの活性化で増強することが明らかになった。 2)Ras癌遺伝子の活性化は細胞の増殖のみならずruffing membrane形成を引き起こし、細胞の運動能を亢進させることが明らかになっている。活性型Rasを細胞内で誘導発現した際、CD44切断の誘導が生じることが分かった。Rasの活性化はMAPキナーゼ及びPI3キナーゼを介する2つの経路で細胞の増殖や運動を制御していることが明かとなっているが、CD44の切断はPI3キナーゼの活性化を介して行われていることが、特異的阻害剤を用いた実験で明らかになった。 3)E-カドヘリンも細胞外ドメインにおいて膜型メタロプロテーゼによって切断を受ける事を見い出した。本切断は主として機械的刺激や、カルシウムイオノフォアー処理など細胞内カルシウム濃度の増加によって引き起こされることが分かった。また、切断後の残存膜貫通型産物は即座に細胞内のタンパク分解機構によって分解され、膜直下でカドヘリンに結合しているb-カテニンは細胞質内に放出されることが明らかになった。
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