研究課題/領域番号 |
11138214
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
正井 久雄 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (40229349)
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研究分担者 |
佐藤 憲子 東京大学, 医科学研究所, 助手 (70280956)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1999年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 細胞周期 / DNA複製 / G1 / S移行 / MCMタンパク質 / セリン / スレオニンキナーゼ / リン酸化 / DNAヘリカーゼ / チェックポイント制御 |
研究概要 |
染色体複製を制御するCdc7キナーゼ複合体の生化学的遺伝学的解析から以下の成果を得た。 1.分裂酵母Hsk1-Him1キナーゼ複合体の遺伝学的解析から、Hsk1キナーゼはCdc19(分裂酵母MCM2)、Rad3キナーゼ、およびRad21(Cohesinの構成因子)と相互作用することにより、ぞれぞれ、体細胞分裂期の染色体DNA複製開始、DNA複製チェックポイントコントロール、および、S期の染色体構造の維持、特に姉妹染色体分体の接着に関与することを示した。 2.ヒトCdc7-ASKキナーゼによるMCM2タンパク質上のリン酸化部位を検討した。その結果、リン酸化される可能性のある部位の変異により、MCM2/4/6/7複合体のサブユニット構成が変化し、さらにDNAヘリカーゼ活性に影響を及ぼすことが示された。この事実は、Cdc7のリン酸化により、MCM複合体のクロマチン上での存在様式が変化し、その結果そのヘリカーゼ活性や他のタンパク質との相互作用を変化させる可能性を示唆する。 3.マウス胚性幹細胞において、Cre-loxP系をもちいて、muCdc7遺伝子の不活性化を誘導できる細胞株を樹立した。muCdc7の不活化により細胞は直ちにDNA合成を停止し、引き続いて細胞死にいたる。この結果により、動物細胞のCdc7類似遺伝子がそのDNA複製と増殖に必須であることが証明された。動物レベルでmuCdc7のノックアウトは初期胚致死であるが、同様に、条件致死変異マウスを作製した。ES細胞株では全く正常に増殖を支持したmuCdc7のひとつのcDNAが、動物細胞においては、胚および生まれてきたマウスにおいて明らかな成長阻害を示した。muCdc7にはalternative splicingによる複数の転写産物が見い出されており、この事実は、個体の発生と生育においては、これらの転写産物がそれぞれ独自の機能を果たしている可能性を示唆する。
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