研究課題/領域番号 |
11138221
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
井上 純一郎 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (70176428)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1999年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | シグナル伝達 / 生体防御 / 遺伝子発現制御 / 破骨細胞 / 大理石骨病 / サイトカイン |
研究概要 |
Rel活性化シグナル伝達因子であるTRAF6を欠損したマウスを作成、解析し以下の結果を得た。 (1)大理石骨病を呈するTRAF6-/-マウスの骨組織を観察したところ破骨細胞がほとんど存在していなかった。そこで骨芽細胞依存的に脾臓細胞中の前駆細胞から破骨細胞を分化誘導する培養系を用いて解析した。その結果、TRAF6-/-マウス破骨前駆細胞が骨芽細胞が産生する破骨細胞分化因子(ODF/RANKL)に応答できないためにTRAP陽性の破骨細胞に分化できないことが判明した。これは破骨前駆細胞に本来存在し破骨細胞への分化に必須なRANKシグナル伝達経路がTRAF6の欠損により遮断されたことを示しており、RANKによるRel活性化がこの系において重要な役割を果たしている可能性が高い。 (2)TRAF6-/-マウス胎児由来線維芽細胞ではTNF受容体からのシグナルは正常であるにもかかわらず、IL-1刺激依存的なRelやJNKの活性化は全く起こらなかった。さらにこの細胞に野生型のTRAF6を遺伝子導入により発現させたところIL-1刺激に依存したRelやJNKの活性化が回復した。すなわち、TRAF6がIL-1刺激依存的なRelやJNKの活性化に必須であることが明らかとなった。 (3)TRAF6-/-線維芽細胞に種々の変異型TRAF6を導入しIL-1刺激依存的なRelやJNKの活性化について解析した。その結果、JNK活性化を担う領域がRINGフィンガーとZnフィンガーであるのに対して、Rel活性化を担う領域はよりZnフィンガーとCoiled-coilであった。TRAF6分子内の異なる領域を用いてRelとJNKを活性化させることからTRAF6がIL-1シグナルの分岐点でありかつ、Relの経路とJNKの経路のバランスを制御している可能性が高い。
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